2010 Fiscal Year Annual Research Report
漢籍抄物を中心とした中世末期~近世初期の学術的展開に関する基礎的研究
Project/Area Number |
22520049
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Research Institution | Nishogakusha University |
Principal Investigator |
町 泉寿郎 二松学舎大学, 文学部, 准教授 (40301733)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大島 晃 上智大学, 文学部, 教授 (00114413)
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Keywords | 一条兼良 / 清原宣賢 / 抄物 / 大学聴塵 / 林羅山 / 文之玄昌 / 四書輯釈 / 四書大全 |
Research Abstract |
【研究会】平成22年度、研究代表者・研究分担者は、連携研究者・研究協力者らと清原宣賢抄『大学聴塵』の会読研究会を11回実施して、精確な翻刻と中世の訓点に即した訓読文を作成するとともに、『四書輯釈』・『四書大全』・一条兼良抄『大学童子訓』そのほか宣賢の釈解に反映されたと見られる先行文献を検討して、注記を施した。これまで抄物は主として中世日本語の資料として研究利用されてきたが、「四書」注釈書としての本来の内容を理解する研究はほとんど行われてこなかった。本研究は近世以前の新注学理解を具体的に示すものであり、日本漢学研究の鉄を補う成果である。下記の調査によって資料発掘を進めながら、翻字原稿の点検作業は、平成22年度末までに完了した。平成23年7月を目途に、翻刻に影印を添えて刊行する予定である。 【資料調査】研究計画の初年度にあたるので、研究会と併行して関連資料の所在調査とその収集に努めた。陽明文庫・天理図書館・岩国徴古館・石川県立図書館・金沢大学図書館・石川県立泉丘高等学校・加賀市立図書館・慶應義塾大学図書館・慶應義塾大学斯道文庫・国立公文書館・蓬左文庫・神宮文庫・東洋文庫・無窮会図書館・大阪府立中之島図書館・米沢市立図書館・宮城県立図書館等の各機関を調査した。『大学童子訓』の未調査の伝本、羅山点の最早期刊本と目される慶安3年(1650)豊興堂刊『四書集注』、林羅山・那波活所書入の明版『周会魁四書大全』、文之玄昌書入の明版『四書大全』、林羅山『論語諺解』など重要資料を閲覧し、それぞれ複写して資料収集した。
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Research Products
(3 results)