2012 Fiscal Year Annual Research Report
漢籍抄物を中心とした中世末期~近世初期の学術展開に関する基礎的研究
Project/Area Number |
22520049
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Research Institution | Nishogakusha University |
Principal Investigator |
町 泉寿郎 二松學舍大學, 文学部, 准教授 (40301733)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大島 晃 東京国際大学, 言語コミュニケーション学部, 教授 (00114413)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 日本漢学 / 漢籍注釈 / 四書学 / 抄物 / 清原宣賢 / 一条兼良 / 新注学 / 室町時代 |
Research Abstract |
本研究は、従来、中世の俗語資料として日本語学の研究対象とされてきた「抄物」を、その本来の性格である漢籍注釈書として据え、四書を中心に清原宣賢による「抄物」を取り上げて、宣賢を起点として先行する一条兼良等に遡上し、また近世初期の印刷物によって普及した諸点本に降下し、南北朝期~近世初期にかけての学術の展開を追求した。 研究基盤となる資料の調査・収集では、大東急記念文庫・国立公文書館・慶応義塾大学斯道文庫・実践女子大学図書館・東洋文庫・尊経閣文庫・建仁寺両足院・陽明文庫・天理大学図書館・香川大学神原文庫・愛媛大学図書館・市立米沢図書館・足利学校遺蹟図書館・大阪大学懐徳堂文庫・鹿児島大学玉里文庫・岩国徴古館・金沢大学図書館・石川県立図書館等で実施した。 研究代表者・研究分担者・連携研究者らは、「抄物」の会読研究会を、平成22年度は12回、23年度は17回、24年度は30回にわたって実施し、抄物本文の正確な翻刻に留意し、原資料に施された訓点に準拠し字音・字訓・音便等の日本語・中国語の問題に配慮した正確な訓読文を検討し、その四書解釈の内容については元明期四書注釈書(『四書輯釈』『四書大全』)、一条兼良『四書童子訓』や宣賢に相前後する清原家点本、および文之点・羅山点等の後続文献まで視野に入れて照合検討した。 会読の成果として、平成23年10月に汲古書院から「清原宣賢漢籍抄翻印叢刊」第I期第1冊として、『大学聴塵』をその翻印・訓読・脚注および『四書童子訓』との対照表・『四書童子訓』翻印によって構成し、全ページカラーの影印を添えて刊行した。他にI期刊行予定の『中庸抄』『三略秘抄』『曲礼抄』『長恨歌並琵琶行秘抄』『論語聴塵』『蒙求秘抄』の整理を進め、25年度内に『三略秘抄』『長恨歌並琵琶行秘抄』を終了の見込みであり、第II期分(『左傳聴塵』『漢書抄』『易学啓蒙抄』『六韜秘抄』)のための準備を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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