2010 Fiscal Year Annual Research Report
日本仏教各宗の新羅・高麗・李朝仏教認識に関する研究
Project/Area Number |
22520056
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Research Institution | Minobusan University |
Principal Investigator |
福士 慈稔 身延山大学, 仏教学部, 教授 (80250041)
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Keywords | 日本華厳宗 / 真言宗 / 日本天台宗 / 日蓮宗 / 新羅仏教 / 海東仏教 / 高麗仏教 |
Research Abstract |
本年度は、南都六宗では華厳宗、真言宗、天台宗、そして鎌倉期成立の宗派として日蓮宗の新羅・高麗・李朝仏教認識(以下海東仏教)の概観を行った。 華厳宗に関しては、鎌倉末までの資料整理の結果を、日本印度学仏教学会での口頭発表と2本の論文で、凝然の海東仏教認識が華厳宗ばかりではなく日本各宗の海東仏教認識に影響を与えたこと、海東華厳章疏は2次的3次的資料して取り扱われるが海東戒律関係章疏は1次的資料として扱われていることを明らかにした。 真言宗に関しては、日本宗教学会での口頭発表と2本の論文で、12世紀末までは空海の海東仏教認識の影響を承けて海東章疏があまり用いられなかったが、13世紀頃から『釋摩訶衍論』を始めとした諸経律論研究が盛んとなり海東章疏の引用が顕著となること等、13世紀を海東仏教認識の転換期であることを明らかにした。 天台宗に関しては、韓国・金剛大学校仏教文化研究所の発表大会で、日本天台宗章疏での海東法華経関係章疏及び天台関係章疏の引用は若干であるが、天台密教の中国密教からの血脈関係を明確にするため、海東密教の存在を必要以上に注目したことを明らかにし、今後の韓国での海東密教研究と日本天台研究の必要性を提唱した。 日蓮宗に関しては、日蓮宗教学研究発表大会での口頭発表で、日蓮の海東仏教認識を明らかにした上で、日向が独自に海東仏教に注目していたことを明らかにした。
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Research Products
(5 results)