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2011 Fiscal Year Annual Research Report

日本仏教各宗の新羅・高麗・李朝仏教認識に関する研究

Research Project

Project/Area Number 22520056
Research InstitutionMinobusan University

Principal Investigator

福士 慈稔  身延山大学, 仏教学部, 教授 (80250041)

Keywords海東仏教 / 新羅仏教 / 高麗仏教 / 日本三論宗 / 日本法相宗 / 浄土宗 / 日蓮宗
Research Abstract

本年度は,南都六宗では,三論宗と法相宗章疏での新羅・高麗・李朝(以下海東)章疏の引用整理を行い,三論宗では8世紀の智光から16世紀の快憲までの14師28部中,10師18部の章疏での海東章疏の引用が確認でき,法相宗では8世紀の行信から18世紀の基弁までの23師63部中,19師39部での海東章疏の引用が確認できた.三論宗諸師の海東諸師章疏の引用からは,8世紀頃には海東諸師を法相宗師として受け止め批判的に引用しているが,批判がなくなるとともに引用も減少するという傾向が窺え,法相宗諸師の海東諸師章疏の引用からは,善珠(723-97)から明詮(789-868)の9世紀頃までは海東章疏を中国法相宗の基や慧沼に次ぐ二次資料として肯定的に引用するが,10世紀の仲算(935-76)の頃から良算(-1202-)までは批判のための引用が行われ,また三論宗と同じように批判がなくなるとともに引用も減少するという傾向がみられことが判明した.この引用整理に関しては『日本仏教各宗の新羅・高麗・李朝仏教認識に関する研究第2号-日本三論宗・法相宗にみられる海東仏教認識』として纏め発表している.
鎌倉期成立の諸宗に関しては,浄土宗については『浄土宗全書』によって海東章疏の引用整理を行い,作者不明の8部を含めた36師94部の章疏での海東章疏の引用を確認し,その特徴として引用される海東章疏に散逸書が少ないこと,元曉章疏・憬興章疏を重用していること等が判明し,それ等の考えられる理由等を2011年9月の印度学仏教学会で口頭発表し反響を得ることが出来た.更に日蓮宗の海東仏教認識に関しては,2012年3月に韓国・金剛大学校仏教文化研究所主催の学会に招聘され,「日蓮宗の新羅・高麗仏教認識について」という論題で,日蓮宗諸師の新羅・高麗諸師の法華経関係章疏への関心の希薄さと,新羅・高麗仏教についての関心が日蓮とその後の諸師とでは大いに異なっていること等を口頭発表で行った.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

浄土宗諸師章疏の海東諸師章疏の引用が予想以上に多く,更に整理終了後に「淨土宗全書検索システム」との照合に時間をかかってしまったことが原因である.

Strategy for Future Research Activity

当初予定では,最終年度である25年度に申請者がホームページを作製し,ホームページ上で日本仏教各宗諸師章疏の海東章疏の引用整理結果,及び海東梵網経関係章疏に対する日本の注釈書類のテキストデーターを公開する予定であったが,早期公開の要望が各界から,特に韓国の研究者達からあったため,22年度から引用整理結果に関しては刊行物という形での先行広開を行うこととした.その結果,注釈書類のテキストデーター化の作業が二次的作業となり若干進行が停滞している状態である.今後は,最終年度終了時に全て公開できるように本人のスケジュール調整と,研究協力者の増員をする予定である.

  • Research Products

    (2 results)

All 2012 2011

All Presentation (1 results) Book (1 results)

  • [Presentation] 浄土宗における朝鮮仏教認識について2011

    • Author(s)
      福士慈稔
    • Organizer
      日本印度学仏教学会第62回学術大会
    • Place of Presentation
      龍谷大学(大宮学舎)
    • Year and Date
      2011-09-08
  • [Book] 日本仏教各宗の新羅・高麗・李朝仏教に関する研究第2巻-日本三論宗・法相宗にみられる海東仏教認識-2012

    • Author(s)
      福士慈稔
    • Total Pages
      287
    • Publisher
      身延山大学東アジア研究室

URL: 

Published: 2013-06-26  

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