2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22520057
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Research Institution | Kobe Women's University |
Principal Investigator |
狩野 恭 神戸女子大学, 文学部, 教授 (70204592)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 主宰神 / イーシュヴァラ / アートマン / ジュニャーナシュリーミトラ |
Research Abstract |
ジュニャーナシュリーミトラ「主宰神論」の解明という課題の中で、平成24年度の研究計画は、 A)ハーバード大学に再度滞在して、ジュニャーナシュリーミトラ「主宰神論」の英訳を完成させる。B) テクニカルタームを英訳とともにIndexを作る。C) ニヤーヤ学派、ヴァイシェーシカ学派の関連文献について関連個所を抽出する、というものであった。 A)については、2月末から3月にかけて、再び滞在することができた。今回も、共同作業、研究は実質2週間程度であった。毎日、ほぼ2-3時間程度、パティル教授と英訳の検討を行い、同時に、前回同様、インド論理学全般やインド論理学、「主宰神論」にまつわる様々な問題について意見を交わし、また、アメリカにおける最近の研究成果についても情報を得ることができた。B) については、9月から12月にかけて、整理する時間を設けた。C) については、B)と同時並行で特にニヤーヤ学派の文献を中心に抽出た。 さらに、ジュニャーナシュリーミトラ「主宰神論」における論理学的に重要な部分について、アクルジュカル先生の記念論集に論文を発表し、さらに、奥田先生の記念論集に主宰神と関連の深いアートマンの論証の背景にある、「実体」論についての論文を発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
①ジュニャーナシュリーミトラ「主宰神論」の英訳を完成させる。②テクニカルタームのIndexを完成させる。③ニヤーヤ学派、ヴァイシェーシカ学派の関連文献について『ニヤーヤ・マンジャリー』『ニヤーヤヴァールッテイカ・タートパリヤテイーカー』などから関連箇所を抽出し、英訳をつける。両テキストについては、すでに、試訳(和訳)を行っているが、これにも基づいて、重要な箇所のみの英訳を行う。④仏教側の資料としてのダルマキ-ルテイ著作(『プラマーナ・ヴァールッテイカ』『プラマーナ・ヴィニシュチャヤ』『ヴァーダ・ニヤーヤ』など)に見られる関連箇所を抽出し英訳をつける。これらの資料については、特に、これまでの研究者が言及していない箇所を中心に部分的なテキストの校訂、英訳を行う。 以上であった。①については、80%完成したが、なお20%は問題点が多く未完成のまま残った。②についてはほぼ完成した。③④については関連個所の抽出は終わったが、英訳は残っている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は最終年度であるので、 ①引き続き、英訳の残った難解個所について、パティル教授とスカイプなどでやり取りをしながら、完成を目指す。 ②ドイツゲッティンゲンから持ち帰ったデータをもとにテキストについて、最終的にチェックを行う。③ 訳注についても英訳を完成させる。④関連文献の抽出した箇所についても英訳を付ける。 以上によって、最終的に出版原稿を完成させる。
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Research Products
(2 results)