2010 Fiscal Year Annual Research Report
タイ伝承写本にみられる「マハーブッダグナ(偉大なる仏徳)」の研究
Project/Area Number |
22520058
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Research Institution | The Eastern Institute |
Principal Investigator |
田辺 和子 (財)東方研究会, 研究員 (20217102)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
茨田 通俊 (財)東方研究会, 研究員 (10260126)
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Keywords | 貝葉写本 / 折本紙写本 / クメール文字 / アユタヤー後期 / Buddhaguna / Wat Arun / パーリ語 / Wat Huakrabu |
Research Abstract |
既にデジタル画像として収集済みの、バンコク郊外の水牛寺と呼ばれるWat Huakrabu所蔵のMahabuddhagunavannana(偉大なる仏徳の称賛)の書かれている絵付き折本紙写本(水牛寺本)を取り上げ、クメール文字パーリ語の写本のローマ字転写作業を終えた。この写本は特殊な太字なので解読困難であるので貝葉写本資料のbuddhaguna解読作業を行って校合しながら解読を進めた。7月から9月にかけて来日していたフランス極東学院(EFEO)の前特別研究員J.Filliozat女史の指導を得て、ローマ字転写を行った。また貝葉写本調査の許可を得ていたトンブリー地区のWat Arunからの貝葉写本の資料のbuddhagunaをも入手して解読作業の助けとすることができた。次にペッブリ県の寺院Wat Lad所蔵のアユタヤ時代後期作のクメール文字パーリ語で書かれた絵付折本紙写本のローマ字転写作業をも行ったが、この写本はある部分から切り取られていて完本でないことが判明した。 年度末にフィリオザ女史からEFEO所蔵の同時代の写真を手に入れることができたのでそれを使用しながら校合テクストを作成する試みを行ってきた。研究の総括は研究代表者田辺が主となって行い、紙写本の解読と対応貝葉写本の校合は研究分担者茨田が行った。 これらローマ字転写作業、並びに校訂テクスト作成作業については、クメール文字パーリ語読解専門家の舟橋智哉博士と東南アジア撰述の仏教説話文献のデータベース化を行う清水洋平博士に研究協力者として従事してもらった。吉元信行大谷大名誉教授からもアドヴァイスを頂いた。
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