2011 Fiscal Year Annual Research Report
シーア派・スンナ派間の宗派論争に関する思想史的研究
Project/Area Number |
22520076
|
Research Institution | Kanda University of International Studies |
Principal Investigator |
菊地 達也 神田外語大学, 外国語学部, 准教授 (40383385)
|
Keywords | シーア派 / スンナ派 / イスマーイール派 / ドゥルーズ派 / 宗教マイノリティ |
Research Abstract |
本研究はスンナ派イスラーム思想の大成者ガザーリー(1111年没)以降のシーア派・スンナ派間の宗派論争の展開を思想史的に分析することを目指すものであり、平成23年度は研究計画に則り、ポスト・アラムート期のニザール派系イスマーイール派に関する文献の収集と並んで、イブン・タイミーヤの攻撃対象となったヌサイリー派と同派と同じような境遇に置かれているドゥルーズ派に関して資料の収集、写本の整理・分析をおこなった。 本年度はヌサイリー派、ドゥルーズ派が居住するシリアに赴き、両派の写本、内部文書を収集する予定であったが、シリア情勢の不安定化を受け渡航先をエジプトとオランダに変更し、エジプトにおけるドゥルーズ派に関する資料の収集をおこなった。やむを得ない措置であったが、同派に関する同時代資料は一定数収集できたため、計画の大幅な変更を行わずに済んだ。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
おおむね予定通りではあるが、シリアでの現地調査が不可能になったため、当初予定していたほどの文献は集められなかった。この課題については来年度への持ち越しとしたい。
|
Strategy for Future Research Activity |
今年度シリアでドゥルーズ派、ヌサイリー派の文献を収集することができなかったため、24年度に両派の居住地域であるレバノンあるいはイランで現地調査をおこない、西欧の図書館に所蔵されている両派に関する資料を複写することでその不足分を補う予定である。
|