2011 Fiscal Year Annual Research Report
日本における西洋哲学の初期受容―清沢満之の東京大学時代未公開ノートの調査・分析―
Project/Area Number |
22520083
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Research Institution | Otani University |
Principal Investigator |
池上 哲司 大谷大学, 文学部, 教授 (60121521)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
朴 一功 大谷大学, 文学部, 教授 (50238242)
村山 保史 大谷大学, 文学部, 准教授 (70310646)
加来 雄之 大谷大学短期大学部, 教授 (10214264)
藤田 正勝 京都大学, 文学研究科, 教授 (90165390)
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Keywords | フェノロサ / 西洋哲学 / 清沢満之 / 日本思想 / 仏教 / 外国人教師 / 近代思想 / 東京大学 |
Research Abstract |
本研究の研究実施計画として設定しておいた課題は、以下のとおりである。(1)講義録の編集(資料調査、外国人哲学教師資料作成を含む)、(2)講義録の思想的分析、(3)清沢満之における西洋哲学思想受容の思想的分析。このうち(1)が平成22年度の重点課題であり、平成23年度は(2)(3)を重点課題として(1)を平行しておこなう予定であったが、本研究は大谷大学に附置された真宗総合研究所の一般研究にも位置づけられるものであり、同研究所紀要における平成22年度の研究成果掲載が次年度となることから、まず、(1)にかんする研究成果として、平成22年度課題であった、東京大学における外国人哲学教師資料の公開を平成23年度におこなった。 ついで、(1)および(2)(3)にかんする研究実績は以下のとおりである。講義禄編集のための(A)資料調査(11月に東京大学、12月に香港中文大学)をおこなった。平成22年度からの継続作業である(B)編集作業としては、清沢以外の筆記者によるフェノロサ講義録として、市島謙吉の「フェノロサ哲学講義」(画像資料)を文字化し、同様に、高嶺三吉筆記による「高嶺三吉遺稿」(画像資料)の哲学史部分の一部を文字化した。清沢筆記の講義録の編集作業としては、やはり哲学史部分の一部を文字化した。合わせて、それぞれの(C)講義録の思想的分析作業、(D)清沢の西洋哲学思想受容の思想的分析作業を、各研究分担者・連携研究者の立場からおこなった。(A)~(D)作業の進捗確認のため、共同の(E)研究会を毎週火曜日におこない、研究活動成果の一般公開作業としては、2月に外部講師(東洋大学教授、三浦節夫氏)を迎え、(F)公開講演会を開催した。HPでは、全体にかかわる研究進捗状況を、逐次、一般公開した。本報告書の下記13には、東京大学における外国人哲学教師資料に加えて、(3)関係として、清沢を介してフェノロサ哲学の影響を受けた諸思想についての研究等の成果を記しておく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記9で記したとおり、平成22年度の重点課題の研究成果(外国人哲学教師資料)が掲載紀要の事情により平成23年度の公開となったことを除けば、おおむね順調に、あるいは、清沢を介してフェノロサ哲学の影響を受けた諸思想の分析については当初の計画以上に研究が進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
研究実施計画において予定したとおりの方策をもって研究を推進していく。
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Research Products
(10 results)