2010 Fiscal Year Annual Research Report
「住む」ことを学ぶ--ハイデッガー居住論とモダニズム建築--
Project/Area Number |
22520088
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Research Institution | Tsuyama National College of Technology |
Principal Investigator |
稲田 知己 津山工業高等専門学校, 一般科目, 教授 (70221778)
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Keywords | 住む / 居住論(トポロギー) / モダニズム建築 / ヘルダーリン / ル・コルビュジエ / ハンス・シャローン / 詩作と思惟 |
Research Abstract |
本研究は、「住む」ことを学ぶために、ハイデッガー居住論をその時代から、当時まさに勃興しつつあったモダニズム建築との関連のもとで考察しようとしている。つまり本研究は、これまでほとんど前例のない、哲学と建築史との学際的な研究をめざしている。この趣旨に添って、当該年度は、欧州へ長期出張をおこない、モダニズム建築の実地調査、関連文献の収集に従事してきた。 このようにして得られた知見をもとに、本研究は当該年度、まさに研究テーマそのものの「住むことを学ぶ-ハイデガー居住論とモダニズム建築-」という講演をおこなった。講演の内容は、「いつヘルダーリンはハイデガーの宿命となったか」「ヴァイセンホーフ・ジードルンク、あるいはモダンな住まい」「〈技術の時代〉における〈詩作と思惟〉」から成る。発表の舞台は、ハイデッガー研究者のほとんどすべてが参加する「ハイデガー・フォーラム」であり、日本を代表する国際的建築家の隈研吾氏などといっしょに発表ができたのは、建築史を勉強しはじめた本研究者にとって望外の幸せだった。なお、この講演は、平成23年9月までに、ハイデガー・フォーラムによって電子ジャーナルおよび出版物として公開される予定である。
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