2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22520090
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
長岡 龍作 東北大学, 文学研究科, 教授 (70189108)
|
Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
|
Keywords | 美術史 |
Research Abstract |
年度当初の計画通り、(1)感応そのものの表象、(2)感応の場、(3)感応の場の表象の三つの柱を立てて、調査と分析を進めた。柱ごとの成果は以下の通り。 (1)東大寺の観音像について検討をおこない、蓮華蔵世界において、行者が辿る十地の階梯に対する不空羂索観音の役割についてあきらかにした。その成果は『ザ・グレイトブッダ・シンポジウム論集』10号掲載の論文、及び東大寺学講座(2012年11月25日)において発表した。 (2)①中国隋代仁寿舎利塔の起塔地、②高橋由一が展画閣建設予定地とした場所について分析をおこなった。①では、文帝が自ら指示した起塔寺院のうち、同州大興国寺(陝西省大茘県)、華州思覚寺(渭南市華県)、涇州大雲寺(涇川市)、隴州薬王寺(宝鶏市隴県)、利州思覚寺(広元市)、梓州華林寺(綿陽市三台県)、益州法聚寺(成都市)、瓜州崇教寺(敦煌市)の寺址を調査し、景観と土地の意味について分析を加えた。②では、肖像画館の建設を構想した国府台、しばしば真景図を描いた浅草を現地調査し、それらの景観の構造及び由一の視線を分析した。 (3)聖武天皇を追善する各種の願文は、死後聖武天皇が蓮華蔵世界に登ることを祈願している。それをもとに、国家珍宝帳に記載される正倉院宝物のうち特に屏風について検討を加え、奈良時代の死後観と光明皇后の奉納意図について新たな見通しを獲得した。その成果はすでに論文にまとめており、近時刊行予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(5 results)