2012 Fiscal Year Annual Research Report
日本に伝来する中国明代製の花鳥獣文様染織品の変遷と国際展開
Project/Area Number |
22520102
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Research Institution | Kyoto City University of Arts |
Principal Investigator |
吉田 雅子 京都市立芸術大学, 美術学部, 准教授 (40405238)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 美術史 / 染織 / 工芸 / 中国;ヨーロッパ;日本 / シノワズリー / 海のシルクロード / 祇園祭 |
Research Abstract |
24年度は祇園祭の作品を調査し、3年間の研究成果を以下にまとめた。第1は「祇園祭の函谷鉾の花鳥獣刺繍見送と水引」『民族芸術』で、松坂屋資料館の蔵から発見された花鳥獣の見送と函谷鉾町の蔵の花鳥獣の水引を比較し、この構図の作品が複数祇園祭に流入し、町人階級に受容され松坂屋に入った経緯を明らかにした。 第2は『祇園祭山鉾懸装品調査報告書』で、函谷鉾町の花鳥獣見送の調査データと解説を執筆した。第3は『京都近郊の祭礼幕調査報告書』で、大津祭等に伝存する花鳥獣作品の調査データと論文を執筆した。 第4は、”Reconsidering the Bird, Animal, and Flower Embroidery Owned by the Foundation of Ricardo do Espirito Santo Silva in Lisbon”(査読中)CIETA Bulletinで、リスボンに伝存する花鳥刺繍は中国製と目されてきたが、実は欧州製のコピーであることを明らかにした。 第5は、”Bird, Flower, and Animal Design Embroideries Owned by The Metropolitan Museum of Art: Four Directional Composition Pieces”(査読中)Metropolitan Museum Journalで、メトロポリタン美術館蔵の花鳥獣作品は中国製で、日本に舶載されたものがアメリカに渡り、同館に入った可能性が高いことを指摘した。 申請書に事前に記した通り、染織ジャーナルとして権威高いCIETA等は査読・掲載まで数年を要すため、第4・第5論文の掲載は2014年以降になる。またメトロポリタン美術館から招聘を受け、2013年10月に同館開催のシンポジュームにおいて本研究の成果を公表する。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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