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2014 Fiscal Year Annual Research Report

『楽家録』の書誌と礼楽思想との関連性に関する総合的研究

Research Project

Project/Area Number 22520123
Research InstitutionKyoto City University of Arts

Principal Investigator

武内 恵美子  京都市立芸術大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (30400518)

Project Period (FY) 2010-04-01 – 2015-03-31
Keywords楽家録 / 写本 / 筆跡照合 / 楽思想
Outline of Annual Research Achievements

当該年度は、『楽家録』の書誌情報の研究と楽思想の展開と雅楽実践および『楽家録』との関係性について検討した。
当該年度の調査は京都府立総合資料館所蔵本、秋田県立図書館所蔵本、内閣文庫所蔵本についての調査を行い、秋田県立図書館所蔵本については写真撮影を行った。また前年度までに撮影および複写した分について、特にマイクロフィルム納品されている分についてデジタル化を行い、その上でデジタルデータ同士の照合を行った。
当研究課題実施中に撮影または複写した写本は、宮内庁書陵部所蔵本を除いたすべてに共通しているのが奥書がないことであった。つまり写本した人物が当該資料からはわからないということである。50巻にも及ぶ大著の写本を写した上で奥書にそれを記さないということは、個人的興味関心に基づく私的な写本であれば考え難いことである。したがって、ここからは、これらの『楽家録』の写本は私的な行為ではないことがうかがえる。
一方で、デジタル化した楽家録の筆跡を比較したところ、複写したすべての写本の筆跡がどれ1つとして一致しなかった。また複写はしていないが現地で所蔵調査をしたすべての写本についても同様に、どれ1つとして筆跡が一致したものはなかった。
このことは、『楽家録』の写本は、業者的、商売的に写本を請け負って作成した可能性を否定するものであると考える。誰が、何のために、どのような状況で写本を作成し、かつそれがどのように蔵書先に所蔵されていくに至ったのかについては、これら写本からは見出すことができなかった。しかしそれは同時に、『楽家録』という特殊な書物の扱われ方、認識が、また独自の形態を伴っていたことを示しており、楽思想的、文人趣味的関心と照らしあわせて、その実態を更に解明する必要があると考えるに至った。それについては今後の課題として研究を継続していく所存である。

Research Progress Status

26年度が最終年度であるため、記入しない。

Strategy for Future Research Activity

26年度が最終年度であるため、記入しない。

  • Research Products

    (2 results)

All 2015 2014

All Presentation (1 results) Book (1 results)

  • [Presentation] 楽家録と楽思想2014

    • Author(s)
      武内恵美子
    • Organizer
      共同研究会「近世日本における儒学の楽思想に関する思想史・文化史・音楽学的アプロー チー」
    • Place of Presentation
      京都市立芸大日本伝統音楽研究センター
    • Year and Date
      2014-07-05
  • [Book] 徳川社会と日本の近代化2015

    • Author(s)
      笠谷和比古編、大川真、横山輝樹、磯田道史、岩下哲典、前田勉、竹村英二、宮田純、上村敏文、武内恵美子、藤実久美子、原道生、森田登代子、平井晶子、魚住孝至、小林龍彦、松岡明子、和田光俊、郡司健、フレディック・クレインス、平木實、伊東貴之、高橋博巳、佐野真由子、菅良樹
    • Total Pages
      708(301-334)
    • Publisher
      思文閣出版

URL: 

Published: 2016-06-01  

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