2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22520137
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
影山 純夫 神戸大学, その他の研究科, 名誉教授 (30144900)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 文人 / 煎茶 / 漢詩文 / 篆刻 |
Research Abstract |
本研究も最終年度に入ったので、これまでの調査にやや欠けるところのあった煎茶やその道具類の調査を中心に調査研究を行う一方で、近世文人の繋がりを明らかにする文人の詩文集の調査を行った。主たるものは大阪府立中之島図書館に所蔵されている篠崎小竹の自筆の詩文集であり、京都の個人の所有する小石元瑞の詩文集である。ともに筆写本であるために読解にかなりの時間を費やしたが、これまで研究のあまり行われていなかった小竹や元瑞の友浦上春琴の事績について、かなり明らかにできるようになったといえよう。また、文人との関係で述べられることの少なかった音楽について、特に琴や月琴の好みについてかなりのところまで明らかにできたのも成果の一つである。 以上の今年度の成果だけではなくこれまでの研究成果をまとめて一般の人々に対して公表する事業として、「近世後期文人の芸術活動」展を、京都市東山区の野村美術館で開催した。この展覧会では、詩文や書、絵画のほか煎茶資料や琴、篆刻資料を展示し頼山陽を中心とした近世後期文人の芸術活動を総合的に提示し、入場者が2週間で900人を超えるほどで、好評を得た。 研究のまとめとしては、研究成果報告書を作成した。研究代表者が「近世後期文人の芸術活動」と題してこれまでの研究成果を盛り込んだ論文を載せたほか、細川林谷の著書、雲華上人の歌書、小石元瑞の茶会記、浦上春琴の品茶記、それに篠崎小竹の詩文の一部、小石元瑞の詩文の一部を翻刻した。小石元瑞の茶会記や浦上春琴の品茶記などは初めて公刊されるものであり、学問的にもきわめて価値が高いといえよう。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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