2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22520144
|
Research Institution | Kyoto City University of Arts |
Principal Investigator |
竹内 有一 京都市立芸術大学, 日本伝統音楽研究センター, 准教授 (60381927)
|
Keywords | 常磐津節 / 浄瑠璃 / 歌舞伎音楽 / 現行曲 / 稀曲 / 三味線音楽 / 流派 / 伝承者 |
Research Abstract |
研究初年度であるため、研究の基礎となる資料収集と、それらの分析作業を中心に行った(A)。同時に、楽劇学会大会において、研究課題に関連するテーマの招待講演を行い、その記録に基づいた研究報告を同学会の機関誌に公開した(B)。今年度は、以上の2つ(A・B)を軸に、常磐津節の伝承実態に関する基礎的調査を進めた。 その具体的内容は、以下の通りである。 (1) 先行研究書や上演資料類からのデータの収集と分析(研究協力者3名の協力も得た) (2) 伝承者5名への聞き取り調査(東京の常磐津協会事務局、公演会場、伝承者自宅、研究室、その他において、専門的知識の提供を受けた) (3) 伝承実態を研究者自身が体得し、研究成果の蓄積、補完、公開等に役立てるための実践的アプローチ(常磐津協会事務局、公演会場、伝承者自宅、研究室等において) これらの作業によって、豊後系浄瑠璃の中心的存在である常磐津節について、その伝承実態の基本的状況を明らかにするための基礎資料を蓄積することができた。すなわち、上演および伝承に関する基本的データ(年月、場所、曲名、伝承者名、伝承状況に関する補足情報等)である。なお、12月に開催した「常磐津節はおもしろい」(構成:竹内有一、主催:京都和文華の会、場所:京都文化芸術会館ホール)で行った公開の鼎談およびその準備の過程において、重要無形文化財の常磐津一巴太夫師から数多くの専門的知識の提供を受けた。 成果の一部については、(B)のような公開活動も行って研究の意義と重要性を明らかにするとともに、研究課題について今後さらに多くの研究者・伝承者から協力を受けることができるように啓蒙に努めた。 次年度は引き続き常磐津節について(A)を継続し、その数と量を充実させることを目指す。
|