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2012 Fiscal Year Annual Research Report

英語圏における伝承バラッドの研究―録音文化としての展開

Research Project

Project/Area Number 22520147
Research InstitutionSeitoku University

Principal Investigator

高松 晃子  聖徳大学, 音楽学部, 教授 (20236350)

Project Period (FY) 2010-04-01 – 2013-03-31
Keywordsバラッド / 英語圏 / 伝承 / ポピュラー音楽 / 語り / 伝統 / 音楽 / 録音
Research Abstract

英語圏で伝承されるバラッドと呼ばれる物語歌は、ローカルな口頭伝承が廃れる一方で、録音文化に浸透することで新たな伝承ルートを獲得しつつある。この研究では、20タイトルのバラッドについて2001年以降の録音をできる限り収集し、歌詞と旋律の傾向を調査した。その結果、多様化する21世紀のバラッド演奏について次のような点が明らかになった。
①バラッドは、フォーク、ロック、カントリーなど、ポピュラー音楽のさまざまなジャンルに居場所を見つけて発展し、さらにジャンルどうしの接触がカテゴリーの細分化や同化を促した。②録音が仲介する世界規模の伝承環境においては、著名な演奏者が録音したある特定のチューンがスタンダードとなり、伝承される。その際、③曲の出自を「トラディショナル」と記すのは、歌い継ぐ者にとって正当なエクスキューズとなるだけでなく、自由な表現を保障する積極的な意味をもつ。④それぞれの録音は属するジャンルの特徴を共有しているが、⑤形式固有の問題(多くの連の反復をいかに処理するか)が、多様な演奏を生む契機となっている。ダイナミクスや拍、テンポの微妙な変化に無関心であるポピュラー音楽の様式は、口承の流動かつ自由な歌唱にははなはだ不向きなため、⑥連ごとに旋律線以外のアレンジを変えていくか、歌詞のない部分のつくりを工夫することで変化をつける。⑦歌詞の内容をふまえて間奏を入れることで、語りの構成を強化する、といった工夫をしている。無駄を省き、わかりやすさを優先する語りの試みが、音楽の助けを得ていっそう効果的に実現されている。
録音文化において様式が多様化したバラッド演奏は、現状では、ポピュラー音楽の各ジャンルによる弁別が可能である。しかし、インターネット動画や音楽配信システムの発達に伴い、同名曲の比較が格段に容易になった現在では、ジャンルを越えて、ますます差異化の必要性に迫られるであろう。

Current Status of Research Progress
Reason

24年度が最終年度であるため、記入しない。

Strategy for Future Research Activity

24年度が最終年度であるため、記入しない。

  • Research Products

    (4 results)

All 2013 2012 Other

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (1 results) Remarks (2 results)

  • [Journal Article] 英語圏のバラッドにおけるジェンダー交差について2013

    • Author(s)
      高松晃子
    • Journal Title

      音楽文化研究

      Volume: 12 Pages: 1-10

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] スコットランド音楽史概観―アートとフォークのインタラクション2012

    • Author(s)
      高松晃子
    • Organizer
      日本カレドニア学会
    • Place of Presentation
      神奈川県立国際言語アカデミア
    • Year and Date
      20120929-20120930
  • [Remarks] 『音楽文化研究』

    • URL

      http://www.seitoku.ac.jp/daigaku/music/bltn/

  • [Remarks] 日本バラッド協会

    • URL

      http://j-ballad.com/

URL: 

Published: 2014-07-24  

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