2011 Fiscal Year Annual Research Report
「ピアニスト」の誕生を考える:明治末期から昭和初期の本邦洋琴家事情の解明
Project/Area Number |
22520164
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Research Institution | Kobe College |
Principal Investigator |
津上 智実 神戸女学院大学, 音楽学部, 教授 (20212053)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武石 みどり 東京音楽大学, 音楽学部, 教授 (70192630)
塩津 洋子 大阪音楽大学, 音楽博物館, 准教授 (80140177)
橋本 久美子 東京藝術大学, 総合芸術アーカイブセンター, 助教 (70401495)
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Keywords | ピアニスト / ピアノ / 小倉末子 / 久野ひさ子 / 東京音楽学校 |
Research Abstract |
本研究の遂行のため、本年度の小倉末子研究会を下記の通り2回実施した。 (第1回)2011年7月29日(金)大阪三木楽器開成館での資料閲覧および出版本に関する協議。 (第2回)2011年12月11日(日)台東区立旧東京音楽学校奏楽堂における展示の閲覧および研究発表。 また、ピアニスト久野久子の生地の調査(担当:辻浩美)およびピアニスト小倉末子のドイツ滞在先の調査(担当:津上智実)を実施した。 これらの成果の一端を、台東区立旧東京音楽学校における展示「ピアニスト小倉末子と東京音楽学校」(台東区芸術文化財団、東京藝術大学音楽学部、神戸女学院大学音楽学部の3者による共催、会期:2011年10月30日から12月11日まで)およびその関連図書『ピアニスト小倉末子と東京音楽学校』(津上智実、橋本久美子、大角欣矢著、東京芸術大学出版会、2011年10月30日発刊)において公表した。同書には小倉末子研究会のメンバーである武石みどり、塩津洋子、辻浩美、藤本寛子、戸ノ下達也の各氏によるコラムが寄稿・掲載された(なお、研究協力者の個人名の公開については各人の承諾を得ている)。 なお、上記の展示に関連して、小倉末子の演奏レパートリーによる室内楽コンサートを2回実施した(第1回:11月3日「2台のピアノ」、第2回:11月23日「弦楽とピアノの室内楽」、いずれも会場は台東区立旧東京音楽学校奏楽堂)。この内、第2回のコンサートは台東区のケーブル・テレビによる収録が行われ、40分番組として12月22日、24日、25日、27日の4回放映された。 不安の中で迎えた年度であったが、このように、展示とコンサートならびに出版という形で、これまでの地道な研究の一端を広く社会に発信する機会が与えられたことに深く感謝している。(以上、745字)
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成23年度は、3月11日の東日本大震災の影響で一時は研究の遂行が危ぶまれたが、幸いにも一定の成果を上げることができて安堵している。
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Strategy for Future Research Activity |
我国の現今の状況において、地味な学術書の出版はなかなか困難であるが、実現の道を求めていく所存である。
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Research Products
(6 results)