2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22520176
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
渡辺 秀夫 信州大学, 人文学部, 教授 (90123083)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 勅撰和歌集 / 和漢比較文学 / 礼楽思想 |
Research Abstract |
前年度に引き続き、勅撰和歌集の理解にあたっては、古代礼楽思想――先秦時代から宋学を経て知の基盤を成す儒教的人間観(性情論・世界観)の体系的な理解――が、研究上いかに必要不可欠な前提であるかについての考察をさらに進めるとともに、①「日本古典文学における和漢比較研究」(北京日本学研究センター・11月1日、14時~16時)等での招待講演や研究発表会「日中比較文学(古典)研究発表討論会」(台湾輔仁大教授、北京大副教授、北京交通大教授、対外経済貿大教授、法政大教授ほか)及び研究者交流及びこれに付随する文献調査・資料収集を行い、これまでの和漢比較研究の手法的反省のうえに立ち、今日的観点からの方法的指針を再検証した。なお、本出張は、当初「日中国交正常化40周年事業」参加として計画されたものだが、中国教育部の指導により開催が延期されたため、当初の規模を見直して行われたものである。また、②12月4日、ワルシャワ大学東洋学部長を表敬訪問するとともに、これより先、3日午後に、日本学科修士・博士課程院生約20名を対象とし、「日本文化と自然・四季」と題する記念講演を行い、さらに、同学科教授、ヤギエル大学准教授と研究交流を行い教育研究上の有益な知見を得た。これらを通じ、③真名序・仮名序の文体的特性の位相差から、仮名序の後進性(完成奏上時には附属されていなかったこと)が確認された。④従来の和漢比較研究における出典・材原論の限界性を打破するためには、当代文化の考え方の枠組み――礼楽を基本とする儒学的世界観の通時、共時的な思考体系(個々の材料を統括し意味づける大きなロゴス)を理解することが、古典注釈に不可欠であることを確信したが、これらの検証にはなお多くの課題もあり、平成25年度~27年度の科研採択課題に接続させ、より深化させ大成させることとした。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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