2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22520177
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
榊原 千鶴 名古屋大学, 男女共同参画室, 准教授 (50313979)
|
Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
|
Keywords | 〈知〉の継承 / 女性教育 |
Research Abstract |
本研究は、女性教育を〈知〉の継承という観点から捉え、社会文化史、政治思想史における「女訓」という歴史的視座の有効性を考えるとともに、明治期に行われた「女性教育の内実」と「教育という営為」を、天皇・皇后及びその側近、政府首脳、民間それぞれのありかたと、彼らが編纂した教材、読み物、表象により明らかにすることをめざすものである。 3年目にあたる平成24年度は、平成22年度「文部科学教育通信」に連載した「〈知〉の継承から考える明治期の女性教育 ― 先駆者の気概に学ぶ ―」を基とした一般向け書籍の出版計画を進め、本研究の最終年度である平成25年度に、三弥井書店より、『私の未来をきりひらく― 挑戦した明治の女性たち ―』(仮題)を出版することとした。 そこで本年度は、同書で取り上げる次の8人に関する資料調査を行うとともに、前半4人の評伝部分とコラムの一部を執筆した。 ①学びたい!を諦めない ― 東京女子師範学校第一回生:青山千世/コラム:女性と手紙 明治のベストセラー 樋口一葉『通俗書簡文』、②明治新政府にもの申す ― 皇后の家庭教師:若江薫子/コラム:女訓書の系譜 秋篠宮紀子さんに贈られた『からすまる帖』、③近代女性の「鑑」となる ― 「宮中のたましい」:美子皇后/コラム:女性と歌 美子皇后と道歌、④学校経営に戦略を! ― 跡見女学校創設者:跡見花蹊/コラム:女性と習字 花蹊先生と岡本かな子、⑤荒くれ反骨男たちを鍛える ― 興志塾塾頭:高場乱/コラム:女性と漢学 志士と生きた女性たち、⑥殖産興業を担う ― 富岡製糸場工女:和田英/コラム:女性と家 〈母〉の教え、⑦日米文化の架け橋となる ― コロンビア大学講師:杉本鉞子/コラム:女性と友情 サムライの娘たち、⑧大胆に率直に自己の意志を示す ― 初代労働相婦人少年局長・山川菊栄/コラム:女性と政治 「なぜ」を問い、女性たちをつなぐ
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度は、研究最終年度にあたる平成25年度内の書籍出版に向けて、資料調査、および原稿執筆を行い、その達成度はほぼ計画通りであった。但し、書籍の原稿執筆を研究の中心に据えたため、本年度については、研究業績を論文等の形で公開すことはできなかった。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成25年度、三弥井書店から出版予定の『私の未来をきりひらく― 挑戦した明治の女性たち ―』(仮題)のための資料調査、原稿執筆、編集作業を行う。
|