2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22520182
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
久保田 啓一 広島大学, 文学研究科, 教授 (80186452)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 幕臣 / 和歌 / 松平定信 / 成島信遍 / 大田南畝 |
Research Abstract |
最終年度であるが、松平定信とその周辺の資料収集と分析に多大の労力を要した。天明から寛政にかけての定信の影響力には測り知れないものがあり、幕臣たちの和歌活動の実態を調査するに当たって、その背後にある定信への視線を常に念頭に置いて作業を進めた。まだその成果を十分まとめるには至っていないが、成島信遍を中心とする徳川吉宗治世の文学を定信が強く意識していたことは明らかで、信遍の伝記研究を通して定信の発想の淵源を突き止めようと努めたことは意義があったと思われる。同時に、定信と時代を共有した大田南畝らの和文集「ひともと草」の精密な注釈作業を継続して進めたが、共時的な文学研究の一環として位置づけることが出来たと考える。 幕臣たちが和歌の宗匠を選択するに当たって、定信の意向を敏感に感じ取って行動したであろうことは疑いの余地がないが、定信の根本資料群を多数有する天理図書館の調査が十分に実行出来なかったのは残念である。幕臣文化圏の中枢に位置する定信の表現意識や価値観を如何に資料から十全に汲み上げるかが、今後の研究の課題となる。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)