2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22520186
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
西田 正宏 大阪府立大学, 人間社会学部, 教授 (00305608)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 日本文学 / 日本史 / 懐徳堂 |
Research Abstract |
本年度も、昨年度に引き続き五井蘭洲著の古今和歌集の注釈書『古今通』の翻刻を継続して行った。特に本年度は伝本によって大きく異なっている「仮名序」の部分について代表的な伝本である大阪府立中之島図書館蔵本・ノートルダム清心女子大学附属図書館正宗敦夫旧蔵本・国会図書館本・国文学研究資料館初雁文庫本の四本の対照翻刻し、刊行した(上方文化研究センター研究年報14号)。 また、大阪府立中之島図書館に蔵せられている同じ蘭洲著の『古今序紀聞』『詠歌大概紀聞』についても翻刻はすませたが、ともに今のところ他に伝本が知られないため、本文に不審な点を残しているので、公刊には至っていない。今後の課題としたい。 本年度は縁あって、「懐徳忌」で講演を行うこと機会を得た。この科学研究費の総まとめとして、「五井蘭洲の和学」と題して、講演した。加えて懐徳堂記念会の刊行する『懐徳』81号(2013年2月刊行)に「蘭洲の和学―『古今通』をめぐって―」という論文を投稿し、審査のうえ掲載された。懐徳堂の和学を代表する五井蘭洲の和学について、『古今通』を中心に、『勢語通』などとも比較検討し、その学の特徴や文学観について考察した。三年間の科学研究費の成果として、契沖から本居宣長へと一直線に記述されることの多かった従来の学芸史に新たな知見を加えることができたのではないかと思われる。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)