2010 Fiscal Year Annual Research Report
1920年代出版メディアに於ける「円本」戦略とその展開に関する研究
Project/Area Number |
22520193
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Research Institution | Tokyo Seitoku University |
Principal Investigator |
庄司 達也 東京成徳大学, 人文学部, 准教授 (60275998)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
須藤 宏明 盛岡大学, 文学部, 教授 (60275584)
山岸 郁子 日本大学, 経済学部, 准教授 (90256785)
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Keywords | 日本近代文学 / 出版メディア / 改造社 / ジャーナリズム / 文壇 / 読者 / 大衆 |
Research Abstract |
本年度は、これまでの研究活動(科学研究費補助金基盤研究(C)「出版メディアによる〈大衆〉の獲得-1920年代の改造社の戦略と文学・映像・アジア」《課題番号17520125》、同「改造社を中心とする1920年代出版社による〈大衆〉の獲得-戦略とその展開」《課題番号19520164》)等の成果を踏まえ、研究全体の総括を行った上で新たな展開を図ることを目指した年となった。 定期的に行っている勉強会は3回を実施、新潮社の歴史に詳しい高橋秀晴氏を迎えた回は、1920年代の出版メディアを考察する上で大変に有意義なものとなった。また、三重、長野、山梨、静岡等での調査と資料の収集を行い、これまでにその詳細を把握していなかった地域での踏査を進めたことにより、宣伝活動の実態を知ることができた。 本研究課題には、これまでに収拾した多くの資料がある。「全集内容見本」もその一つで、その整理と分析を行うためにデータ・ベースの作成を行った。350を越えて集めた資料の詳細な情報が各自のコンピュータにより処理できるようになったことは、プロジェクトを進めてゆく上での重要な環境の一つを整備したこととなる。今後の研究活動に大きく寄与することとなるだろう。 次年度以降は、勉強会と各地での調査を継続して行う。また、これまでの研究成果の公表を企図し、シンポジウムの開催や書籍の刊行、論文の発表などによる効果的な発信、利用についても検討していきたい。同様のテーマを掲げる他の研究グループとの連携をより強固なものとしながらの活動を目指したい。
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