2011 Fiscal Year Annual Research Report
南北朝期から江戸初期における書物の移動に関する基礎的研究
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22520203
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Research Institution | Meisei University |
Principal Investigator |
前田 雅之 明星大学, 人文学部, 教授 (00209389)
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Keywords | 書物の移動 / 古典 / 進上献上 / 下賜 |
Research Abstract |
平成23年度において、当該研究は昨年度同様、二つの大きな柱によって遂行された。 第一は、文献調査である。平成23年8月17日~平成23年8月20日に、昨年度と同じ島原松平文庫と、平成23年度は新しく祐徳稲荷中川文庫の調査を行った。祐徳稲荷文庫を構築したのは、松平文庫の創始者松平忠房の従兄弟に当たる鍋島直朝である。よって、共通本も多いが、今回は、移動の視点で見ていった。とはいえ、文庫自体の整備が所有者・管理者の問題で進んでおらず、十分な調査ができる環境にはなかったことは非常に残念であった。この二文庫については、今後も調査はしたいと考えているが、本科研としては、平成23年度いっぱいで終了と言うことにしておきたい。なお、参加者は、昨年度の前田、岡崎真紀子(静岡大学准教授)、松本麻子(青山学院大学非常勤講師)、渡瀬淳子(早稲田大学非常勤講師)、松本大(大阪大学大学院博士課程)に加えて、内田濡子(お茶の水女子大研究員)が新たに加わった。 第二は、研究会活動である。平成23年6月5日、平成23年10月22日、平成24年1月21日の計三回行った。研究会では1、データベース構築の途中経過、2、書物の移動に関する研究発表、3、花鳥余情講読会からなる。大坪舞(立命館大学大学院博士課程)も加わり、データベースの中核をなす『実隆公記』の調査は終了したことを最大の成果としてあげておきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
データベース構築の最大のデータである『実隆公記』における書物の移動調査をほぼ終えることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今年は、『実隆公記』の前と後のデータをどれだけ分担して取るかが最大の課題である。6月2日に予定している第一回研究会で、それを取り決め、早急に作業に入りたい。
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