2012 Fiscal Year Annual Research Report
南北朝期から江戸初期における書物の移動に関する基礎的研究
Project/Area Number |
22520203
|
Research Institution | Meisei University |
Principal Investigator |
前田 雅之 明星大学, 人文学部, 教授 (00209389)
|
Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
|
Keywords | 書物の移動 / 古典 / 献上・進上 / 下賜 |
Research Abstract |
当該年度の研究成果は、研究代表者である前田と下記七名によって、最もデータ量の多い実隆公記を分担して、書物の移動データをすべて抽出する作業をほほ終了したことがまずあげられる。但し、チェック作業を夏と春に二度行った。これは今後も年に二回は行いたい。そして、次のステップである14世紀後半、16世紀~17世紀初頭における日記・記録類の分担を決めたことである。 次に、研究の対象期間の奥書・本奥書をもつ古典的・書物を大量に所有する文庫・図書館のうち、当初、予定していた熊本大学付属図書館寄託の永青文庫が工事のために調査が不可能となり、仙台伊達文庫(宮城図書館)を調査した。 第三に、年に三回研究会をもち、データベース進捗状況、このテーマに関係する研究発表、一条兼良『花鳥余情』の輪読などを行った。 なお、研究協力者は以下の七名である。 大坪舞 立命館大学大学院博士後期課程3年DC1 岡﨑真紀子 奈良女子大准教授 博士(文学) 高津希和子 渋谷教育学園教諭 原克昭 東京成徳大学付属高校非常勤講師 博士(文学) 松本麻子 青山学院大学非常勤講師 博士(文学) 渡瀬淳子 武蔵野大学非常勤講師 博士(文学) 松本大 大阪大学大学院博士後期課程3年DC2
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
原因は実隆公記のデータ量が他に比べてあまりに多いということにある。1年間で場合によっては150件を超えるデータがあり、それらを記入し、官職名しかない人物の氏名などを調べていくと、予想を超えた時間をとられる。また、研究協力者がとったデータを改めて再チェックしないといけない。このことによって他の日記になかなか進めなかったと推測される。 また、文庫調査は、図らずも変更になり、初期目的が果たせなかったことがあげられる。
|
Strategy for Future Research Activity |
第一に、『実隆公記』のデータベースだけを完全な形で完成させる。 第二に、他の日記類のデータベースを今年中にとっておく。 データベースについては以上である。 第三に、文庫調査は、工事等によって昨年変更し、今年も10月1日以降では永青文庫調査はできないが、今後の研究のことも考え、年度内に調査に行きたく考えている。
|