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2011 Fiscal Year Annual Research Report

中世楽書の基礎的研究及び説話伝承に関する研究

Research Project

Project/Area Number 22520215
Research InstitutionKobe Gakuin University

Principal Investigator

高原 香苗 (中原 香苗)  神戸学院大学, 経営学部, 准教授 (80469270)

Keywords楽書 / 日本音楽史 / 竹〓眼集 / 體源鈔 / 愚聞記
Research Abstract

1 『続教訓抄』『體源鈔』の伝本研究
それぞれの伝本の収集・調査を進め、分析を行った。
2 狛氏周辺で生成した楽書に関する研究
『竹〓 眼集』の研究
室町期に南都の楽人狛氏によって編まれた楽書『竹〓 眼集』研究の一環として、そこに引用される『舞楽府合抄』と類同の内容をもつものに着目した。『舞楽府合抄』は、『教訓抄』の著者狛近真の死後、家を継ぐのに重要な秘伝等をその子へと伝えるために書かれたものだが、両者を比較すると、『竹〓 眼集』に引用される書は、内容はほぼ同じであるものの、現存『舞楽府合抄』とは伝来を異にするものであることが判明した。これにより、楽人の秘伝を記した楽書が、家を継ぐべき子どもそれぞれに与えられ、それが子孫へと伝えられる、という楽の家の相承と、それにともなう楽書生成の一端が明らかになった。
3 『體源鈔』に引用される書物についての研究
『愚聞記』は、鎌倉時代成立の楽書である。室町時代末期成立の中世最大の楽書『體源鈔』には多数の書物が引用されるが、『愚聞記』は現存本文の約7割が『體源鈔』に引かれる点、注目される。『體源鈔』所引本文と現存本文とを検討した結果、『體源鈔』所引の『愚聞記』は、現存本よりも多くの記述をもつ、原『愚聞記』の姿を推測させ得る重要なものであることが判明した。本研究は、『體源鈔』が、そこに引用された書物の本文研究上有益なものであることを示唆したものである。
4 研究会の開催
研究の進捗状況の報告と情報交換のため、外部の研究者を招き、2012年2月18日に研究会を開催し、狛氏周辺で編まれた楽書『掌中要録』についての研究報告を行った。学外の研究者からは示唆に富む意見等を得られ、有益であった。あわせて、情報収集等を行った。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

『続教訓抄』『體源鈔』の伝本調査、内容の分析を進めているが、両書ともに大部なものであり、また伝本も多いため、分析作業等に時間がかかっている。また狛氏周辺で生成したものなど、楽書についての研究はおおむね順調に進展しているものの、諸般の事情により研究成果の公表にいたっていないものがあるため。

Strategy for Future Research Activity

今後も、これまでと同様、『続教訓抄』『體源鈔』の基礎研究として、両書の伝本の調査、収集、分析を進めていく。
また、狛氏周辺で生成した楽書である「春日楽書」、『掌中要録』、『竹〓 眼集』等の基礎研究とともに内容についての検討を進める。

  • Research Products

    (1 results)

All 2012

All Journal Article (1 results)

  • [Journal Article] 『體源鈔』所引の『愚聞記』について2012

    • Author(s)
      中原香苗
    • Journal Title

      日本文学

      Volume: 61巻3号 Pages: 72-76

URL: 

Published: 2013-06-26   Modified: 2013-11-08  

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