2013 Fiscal Year Annual Research Report
翻案映画におけるシェイクスピア受容のインターテクスチュアリティ
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22520252
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
大島 久雄 九州大学, 芸術工学研究科(研究院), 准教授 (80203769)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | シェイクスピア / 受容 / 翻案映画 / インターテクスチュアリティ / 蜘蛛巣城 / マクベス / テンペスト / 伝統芸能 |
Research Abstract |
これまでのシェイクスピア翻案映画受容に関する事例研究・調査を活用しながら、事例研究とインターテクスチュアリティ受容批評理論の構築と検証を行い、米国フォルジャー・シェイクスピア・ライブラリー,ニューヨーク・パブリック・ライブラリー等で追加調査・資料収集(2014年2月)を実施して,地域性・時代性が原作に作用してユニークな翻案事例を生み出していることを明らかにした。 研究成果は、第30回国際学会「心理学と芸術」(ポルト大学:2013年6月)において「『蜘蛛巣城』の戦後的インターテクスチュアリティに関する心理学的研究」という題目で研究発表を行い、日本人の戦後意識が心理的にどのように黒澤明のシェイクスピア翻案映画に作用しているかを明らかにした。第1回アジア・シェイクスピア・アソシエーション会議(国立台湾大学:2014年5月)においても日本的インターテクスチュアリティの観点からシェイクスピア劇ロマンス的要素の舞台表象を分析した研究発表が確定している。 研究成果の社会還元としては,市民対象公開講座「翻案映画で楽しむシェイクスピア」(2013年9月90分4回)を実施した。 演劇伝統とインターテクスチュアリティの観点から『テンペスト』日本受容に関して論じた論文 "'The Tempest' and Japanese Theatrical Traditions: Noh, Kabuki, and Bunraku" は、国際的な学術書 [REAL, Vol. 29 (2013)]に掲載された。 以上のように翻案によるシェイクスピア受容に関する批評理念・方法論を実証的に構築・改善しながら,舞台公演事例とも比較したシェイクスピア翻案映画事例研究を実施し、地域や時代に根ざした言説や伝統や様式がインターテクスチュアリティとして作用してユニークなシェイクスピア翻案映画を生み出してきたことを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)