2010 Fiscal Year Annual Research Report
アイルランド独立期におけるアイデンティテイ確立への模索と二言語文学の関わりの研究
Project/Area Number |
22520280
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Research Institution | Kobe Shoin Women's University |
Principal Investigator |
春木 孝子 神戸松蔭女子学院大学, 教授 (80228668)
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Keywords | アイルランド語文学 / 独立期 / アイデンティティ |
Research Abstract |
まず、アイルランドにおける1921年から1939年という時代の歴史上と文学上の位置づけを行うために、夏にダブリンの国立図書館、トリニティ・カレッジ図書館、ユニバーシティ・カレッジ・ダブリン大学図書館で精力的に資料集めを行った。資料集めには、この時代の保守的共和国支持者の定期刊行物Fanne an Lae, The Leader, Catholic Bullenなどに掲載された投稿なども歴史的証言を求めるために含まれる。この時代に対するアイルランド人の意識調査をインタビューとアンケート形式で行う準備を進めた。 同時に、リアム・オフラハティーの小説で描かれる人物たちは支配者側に影響を与える土地の人物や、被支配者側であっても裏切り者、人としての狭量さを持った英雄が描かれる。そして、彼らは多くが1921年から1939年という時代背景の中で様々な鬱屈を抱えた姿で描かれている。これらの人物を通して個別的なアイデンティティ確立の様子を検証していくことを行った。 合宿という形での京都アイルランド語研究会に平成22年度も年5回すべて積極的に参加し続け、十八世紀のアイルランド語詩の研究と独立にいたる運動に影響を与えた英語文学など、研究目的遂行のために他の研究者たちとより緊密な研究協力関係を継続し、情報の交換を継続した。
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