2011 Fiscal Year Annual Research Report
アイルランド独立期におけるアイデンティテイ確立への模索と二言語文学の関わりの研究
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22520280
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Research Institution | Kobe Shoin Women's University |
Principal Investigator |
春木 孝子 神戸松蔭女子学院大学, 教授 (80228668)
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Keywords | アイルランド語文学 / 独立期 / アイデンティティー |
Research Abstract |
アイルランドにおける1921年から1939年という時代の歴史上と文学上の位置づけを行うために、22年度に続き、夏にダブリンの国立図書館、トリニティ・カレッジ図書館、ユニバーシティカレッジ・ダブリン大学図書館に加えて、本年度はコーク大学図書館でも精力的に資料集めを行った。資料集めには、この時代の保守的共和国支持者の定期刊行物Fanne an Lae, The Leader, Catholic Bullenなどに掲載された投稿なども歴史的証言を求めるために含まれる。この時代に対するアイルランド人の意識調査をインタビューで行った。 同時に、リアム・オフラハティーの小説で描かれる人物たちは多くが1921年から1939年という時代背景の中で様々な鬱屈を抱えた姿で描かれている。これらの人物を通して個別的なアイデンティティ確立の様子を検証していくことを継続した。 また、本年度は特にアイルランド語力の促進を図り、これまで以上に京都アイルランド語研究会のプロジェクトに積極的に参加貢献した。特に、十八世紀の詩人メリマン研究のプロジェクトにおいては、日本語訳の中心メンバーとなり、さらに語彙集の土台を完成させた。この研究会においては、研究目的遂行のために他の研究者たちとより緊密な研究協力関係を継続し、情報の交換を継続した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
所属大学において外国語教育センター所長という任務に就き、時間的な制約を大きく受けて研究活動に使えるエフォート率が下がってしまった。
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Strategy for Future Research Activity |
資料収集など研究の基礎段階はほぼ順調に終えているので、研究課題の最後の3年目に当たる今年度は、計画を遂行し、成果としてまとめるために昨年度分をカバーできるくらいのエフォート率をあげる努力をする予定である。
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