2010 Fiscal Year Annual Research Report
リアリズム小説に投影された「長い19世紀」におけるインテリア概念の変遷
Project/Area Number |
22520283
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Research Institution | Seinan Gakuin University |
Principal Investigator |
三宅 敦子 西南学院大学, 文学部, 准教授 (10368970)
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Keywords | 英米文学 / 19世紀 / 文化史 |
Research Abstract |
今年度は、本研究課題の中心であるアンソニー・トロロープの研究に入る前に、インテリアに関して、ジョージ・ギッシングの二つの小説(The Odd WomenとIn the Year of Jubilee)についてこれまで考えていたことを論文にまとめた。また文化史的枠組みとして本研究に欠かすことが出来ない概念である「趣味の向上」というテーマについて、ヘンリー・コールが編集した雑誌The Journal of Design and Manufacturesについて研究発表を行った。 そのほかの研究活動については、交付申請書にまとめたとおり、まずトロロープの小説を蒐集した。そのほかインテリアに関する指南書の復刻版なども蒐集し、その分析を行った。2月にはロンドンの大英博物館に出向き、19^<th> Century British Library Newspapers,19^<th> Century UK Periodicals, British Newspapers 1600-1900などのe-resourceから関連する資料を蒐集した。 今年度のリサーチで判明したことは、ディケンズやギッシングに比べると、トロロープは当時のconduct bookなどのマナー本の影響をより直接的に受けている、ということである。三人の作家について表象の違いを明確に際立たせるために、この点を今後の研究で掘り下げる必要があるという認識を得た。
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