2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22520285
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Research Institution | Nagano Prefectural College |
Principal Investigator |
高梨 良夫 長野県短期大学, その他部局等, 教授 (50163225)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | R. W. エマソン / アメリカ思想 / アメリカ・ロマン主義文学 / プラグマティズム / ウィリアム・ジェイムズ / 自然 / 進化論 / ソロー |
Research Abstract |
本年度のエマソンの後年期の思想の研究についての成果は、日本ソロー学会がソロー没後150周年を記念して出版した研究書『ソローとアメリカ精神―米文学の源流を求めて』に掲載された拙論「運命、本能、力―エマソンの後期思想の考察」に発表された。エマソンが後年期において運命、本能、力などのテーマをめぐって展開した、自然と人間精神の働きの関係についての思想の特徴を、青年期の超越主義思想と対比させ、『処世論』(The Conduct of Life, 1860) や後期講演集などの原典に基づいて論述した。 また同時にエマソンをプラグマティズムの先駆者としてとらえ、ウィリアム・ジェイムズの思想との比較的考察の研究も試み、その成果は「エマソンとウィリアム・ジェイムズ」に示されている。また日本ナサニエル・ホーソーン協会の協会員が執筆する研究書『アメリカ・ルネサンス―批評の誕生』に掲載される、プラグマテズムの視点からみたエマソンとジェイムズの思想の比較的考察についての論考を執筆し、2013年10月に発表される見込みである。 さらに日本ソロー学会発行の『ヘンリー・ソロー研究論集』に John T. Lysaker and William Rossi, eds, Emerson and Thoreau: Figures of Friendship の書評を掲載した。この書では、エマソンとソローの間の友情の実相と変遷が詳細に論じられており、エマソンを師と仰いでいたソローが、エマソンの影響を受けながらも、次第に離脱していった過程は、エマソンの後年期の思想を理解する上でも参考になることを指摘した。 従来のエマソン研究は、超越主義思想を展開した青年期・中年期が主流であったため、それ程解明されてこなかった後年期の思想に関する研究は重要であり、エマソンの思想の全容を理解する上でも意義があることを示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
自然と人間精神の働きの関係についてエマソンが後年期においてどのように考察していたのかに関する研究の成果は、研究書『ソローとアメリカ精神―米文学の源流を求めて』に掲載され、またエマソンをプラグマティズムの先駆者としてとらえ、ウィリアム・ジェイムズの思想との比較的考察を試みる研究も予定通り進展しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度は本研究の最終年度であるので、三年間の本研究のまとめを中心に行う予定である。本年度特に力点を置いて研究を試みた、プラグマテズムの先駆者としてのエマソンに着目し、エマソンとウィリアム・ジェイムズとの比較的考察を試みる研究は来年度も継続して行う予定である。この研究の成果の一部は、日本ナサニエル・ホーソーン協会員が中心になって執筆する研究書『アメリカン・ルネサンス―批評の誕生』(2013年10月出版予定)に掲載される予定である。また本研究の直接の成果ではないが、2013度中には英文研究書(単著)Emerson and Nedo-Confucianism:Crossing Paths over the Pacific を米国で出版する予定である。
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