2012 Fiscal Year Annual Research Report
「在外ドイツ人研究」の制度化と禁忌化―マイノリティ論から見たゲルマニスティーク―
Project/Area Number |
22520293
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
藤田 恭子 東北大学, 国際文化研究科, 教授 (80241561)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 道男 東北大学, 国際文化研究科, 教授 (20187769)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 在外ドイツ人 / マイノリティ / ゲルマニスティーク / ナショナリズム / ナチズム / ルーマニア / カール・クルト・クライン / リヒャルト・チャーキ |
Research Abstract |
「在外ドイツ人」を意味するAusland(s)deutschtum等の語は、ドイツやオーストリアの外に居住するドイツ系マイノリティを指す語として、第二次世界大戦終結まで広範な学術分野における鍵概念だった。「Volksdeutsche」の「文化的前哨」という政治的機能を負った「在外ドイツ人研究」は広範な分野で制度化された。だが同じ理由から第二次世界大戦後に一転して禁忌化され、研究成果は当該マイノリティ内部を除いて歴史の闇に葬られた。本研究では、ゲルマニスティークを中心に「在外ドイツ人研究」の資料を再発掘し、その学術的意義を検証するとともに、その政治的機能等を、当該マイノリティが置かれていた政治的、社会的文脈をも踏まえて詳細に再検証した。 藤田恭子(研究代表者)は、ルーマニア出身でドイツ・オーストリアの大学・研究機関で活動した研究者、特にリヒャルト・チャーキ(トランシルヴァニアの現シビウ出身・シュトゥットガルトの旧「在外ドイツ人研究所兼博物館」長)の活動を分析した。鈴木道男(研究分担者)は、ルーマニア国内の大学や研究機関で活動した研究者、特にクルージ大学独文科教授で後にオーストリアのインスブルック大学教授カール・クルト・クラインを担当した。 平成24年度は、シビウ、シュトゥットガルト、クルージ、インスブルック等での調査で収集した資料の分析と調査を続け、研究の総括を行った。その際、ワイマール共和国からナチ政権にかけてのドイツ国内の在外ドイツ人政策の変遷との関わりをも視野に入れた。研究成果の一端は、平成25年6月22日に開催される日本ドイツ学会シンポジウム「領土」におけるパネリストとしての報告と議論において発表予定であり、その後、論文として同学会機関紙「ドイツ研究」において刊行される。また間もなく、研究成果報告書を刊行予定である。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)