2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22520314
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
ヨコタ村上 孝之 大阪大学, 言語文化研究科(研究院), 准教授 (00200270)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | ロシア文学 / ユダヤ文学 / 亡命文学 / ディアスポラ |
Research Abstract |
科学研究費受給期間にわたって数回の外国資料収集旅行を行い、関連資料を所蔵する図書館や公文書館で多くの貴重な史料・テキストを発見した。書店・古書店より購入した資料にも有意義なものが多数あった。購入書籍については文学・文化理論関係のものも多く、それらを精読・消化して理論的準備を深め、発見した史料・テキストの分析に応用した。その結果、科学研究費のテーマに関して数多くの新しい、当該研究分野にとって重要な知見を獲得することができた。 イヴァン・エラーギンにおいてユダヤ性が母性的なものに翻訳されていたこと、イディシュ・ドイツ語・ロシア語・ラトビア語の四か国語で執筆していたラズームヌイが言語往還の作業の中でいかにユダヤ性と折り合いをつけていたか、それがいかなる政治的背景を持っていたか、米国に亡命したブロツキーにあっては英語は自らのユダヤ性にいかなる意味を持ったかについての検討し、その結論を国際学会で報告し、海外の雑誌に発表した。 具体的には、平成22、23年度の研究成果概要についてはすでに当該年度の報告書に記したところであるが、平成24年度についてはテッサロニキ(ギリシャ)で行われた国際会議「翻訳されたロシア語・ロシア文化」、オラデア(ルーマニア)での国際会議「亡命文学」、およびリッチモンド(米国)で行われた国際比較文学会文学理論分科会で成果発表を行った。あわせてソフィア市国立歴史博物館、ブカレスト市ユダヤ博物館、ニューヨーク公立図書館で資料を収集した。 総括すると、全研究期間の間に単行本収録論文を四本、学会誌発表論文を三本、発表したが、さらに総括的な研究論文二本を現在執筆中であり、平成24年度中にこれを完成し刊行する。国際学会にて成果報告の発表も10件行った。 また研究目的の一つであった米国在住のユダヤ系ロシア文学者のデータベース化の作業はほぼ完成し、近々ホームページなどで公開予定である。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)