2011 Fiscal Year Annual Research Report
ピエール・ジャケス・エリアスと20世紀ブルターニュの諸相
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22520321
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
梁川 英俊 鹿児島大学, 法文学部, 教授 (20210289)
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Keywords | INA / ブルターニュ・ケルト研究センター / ファンシュ・ブルディック / ファンシュ・モルヴァヌー / バスク文化センター / ブルターニュ・オキシダンタル大学 / レンヌ第2大学 / エムグレオ・ブレイス |
Research Abstract |
平成23年度も、ブレストのブルターニュ・オキシダンタル大学(UBO)に付属する「ブルターニュ・ケルト研究センター(CRBC)」において、エリアスの草稿やノート類の調査に多くの時間を費やした。また、国立視聴覚資料センター(INA)のレンヌ支部(INA atlantique)においては、エリアスが出演したラジオやテレビ番組等の録音・録画を、特別な許可を得て大量に視聴し、エリアスのメディア人としての側面を詳しく知ることができた。さらに、前年に引き続き、エリアスの関係者へのインタビュー調査も積極的に行った。なかでもエムグレオ・ブレイス代表で、エリアスの親友でもあったファンシュ・ブルディック氏、ブルトン語の独自の正字法を生み出したブレスト大学名誉教授ファンシュ・モルヴァヌー氏からは、大変に貴重な話を聞くことができた。また本年度は、ブルターニュ以外の地域の文化活動家のエリアスに関する評価を知るために、同様に言語復興運動の盛んなバスク地方に赴き、「バスク文化センター」代表を務めるパンチェス・エチャゴイン氏等に話を聞いたほか、在ボルドーのブルターニュの文化活動家数人にインタビューを試みた。こうした経験は、本調査の客観性を保つ上で不可欠であり、また成果も大きかった。エリアスの長女クローデット・エリアス、ブレスト大学教授ロナン・カルヴェス、レンヌ第2大学教授フランソワーズ・モルヴァン等には、前年に引き続き変わらぬ協力をいただいた。さらに、古くからの友人である民謡研究家・歌手のヤン=ファンシュ・ケメネールやレンヌ第2大学教授イヴ・ドフランスからは、調査全般に関する貴重な助言を得た。研究外の成果としては、エリアスを研究する日本人として、ブルターニュ地方の新聞である「テレグラム」に取り上げられたほか、同系列のTBOテレビのニュース番組に出演した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
インタビューに関しては、当初の予定を大幅に越える数の関係者に話を聞くことができた。インタビューに応じてくれた人が次の取材の候補を次々と紹介してくれる、といういい意味の循環ができている。また、文献調査に関しても、資料を所蔵する機関の協力もあり、予想以上の成果があがっている。視聴覚資料に関しても、現在ではその大半がINAに一元化されており、予定を上回る量の資料を視聴することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題の今後の推進方策については、この2年間で予想以上の成果を得ているので、従来通りで問題はないと考える。ただ、次年度は最終年となるので、調査に一応のまとめをつけるためにも、エリアスと特に密に交際していた人たちの話を聞けるように工夫したい。
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