2012 Fiscal Year Annual Research Report
物語フレームと人物造形の関連に関する比較ジャンル論的研究
Project/Area Number |
22520343
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
森本 浩一 東北大学, 文学研究科, 教授 (20182264)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 物語 / 人物造形 / ジャンル / 文学論 |
Research Abstract |
平成24年度は本研究の最終年度にあたるため、これまでの調査・研究の総括を行い、論文にまとめた。論考は、「登場人物」が物語受容の過程でどのように経験されるかについての理論的考察を整理した部分と、ジャンル比較に基づくメディアごとの人物認知の違いについて体系的に論じた部分とから構成される。前者においては、人物認知の基本構造を、表情直観、物語的経路、人物の実存という三つの契機から分析するモデルを提案した。特に重要なのは実存的契機であり、物語的人物を単なる属性の束としてではなく、物語世界=内=存在として立ち現れさせることこそが、「再現」としてのリアリティをめざす物語の目的であると論じている。後者においては、先行する比較ジャンル研究の成果を踏まえつつ、メディアがもたらす知覚的要素と描写的な特性の相対関係から、人物の実存をめがける物語的他者のふるまいがジャンル毎にどのように異なるかを検討した。映画と文学の違いは一見自明のものに見えるが、直接知覚的イメージに訴えるジャンルと雑多な描写からの想像的補完に依拠する象徴的ジャンルとでは何が根本的に違うのかを、物語経験の基本構造にまで遡及して考察したところに、本研究の独創性があると考える。なお本年度においても、過去2年間同様、本研究は、研究協力者である森田直子東北大学情報科学研究科准教授とともに継続している「ナラティヴ・メディア研究会」の活動と密接にリンクする形で推進した。今年度は、コミック研究に携わる内外の研究者との交流によって有益な示唆を得るとともに、年度末に研究誌『ナラティヴ・メディア研究』第4号を刊行し、関連分野研究者・機関に送付した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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