2011 Fiscal Year Annual Research Report
1930年代後期から40年代初期の中国人日本留学生の文学・芸術活動に関する研究
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22520348
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
小谷 一郎 埼玉大学, 教養学部, 教授 (60136009)
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Keywords | 1930年代後期 / 40年代初期 / 中国人日本留学生 / 文学・芸術活動 / 人民戦線事件 / 木版画運動 / 大東亜文学者大会 |
Research Abstract |
(1)資料発掘・収集「未開拓」な分野である本研究にとっては、一次資料、関係資料の発掘・収集が不可欠な作業である。このため本年度も前年度に引き続き一次資料、関係資料の発掘・収集に努めた。その結果、37年7月盧溝橋事変勃発後の郭沫若の「日本脱出」を機に起きた「人民戦線事件」関係資料、及び30年代後期の中国人日本留学生の美術活動に関する資料、とくに30年代後期に日本に留学し活躍していた木刻家黄新波に関する資料を入手でき、その遺族と連絡が取れたことは大きなであった。だがいずれの成果においてもそれは30年代後期に関するものが主で、40年代初期に関する資料発掘・収集作業は不十分な段階にある。このため今後は40年代初期に関係した資料・発掘収集に努めたい。その意味で一つの手掛かりとなるのは「大東亜文学者大会」と中国人日本留学生という問題である。時の中国人日本留学生がその時に日本の「国策的」文学活動、「大東亜文学者大会」などの流れをどのように見つめていたのかなど、今後は時の中国人日本留学生の文学・芸術活動そのもの資料発掘に努めながら、同時にそうした視点からの資料発掘をも図っていきたい。 (2)資料の整理、データベース化 収集した資料はすべて埼玉大学に集中し、その整理、分析とデータベース化を適宜進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
その理由は30年代後期の中国人日本留学生文学・芸術活動に関する資料の発掘・収集が順調に進んでいるからである。
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Strategy for Future Research Activity |
先の「研究実績の概要」にも記したように、40年代初期に関係した資料の発掘・収集が不十分である。今後はそうした関係の資料発掘・収集に中国側研究者、日本側の日本近代文学、近代史の研究者と連携を取りながら努めていきたい。
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