2010 Fiscal Year Annual Research Report
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22520362
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Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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| Research Institution | Kobe University |
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Principal Investigator |
樋口 大祐 神戸大学, 人文学研究科, 准教授 (90324889)
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| Keywords | 漢文文化圏 / 歴史叙述 / 伝 / 王権 / 軍記物語 |
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| Research Abstract |
平成22年度は本研究の初年度として、基礎的な資料調査・収集を中心に行なった。韓国については、平成22年10月に李朝朝鮮時代以来の伝統を誇る成均館大学校東アジア研究センター(ソウル)を訪問し、朝鮮半島における漢文文献のあり方、研究史、研究方法、及び資料の入手方法等についての一定の展望を得た。ヴェトナムについても同年12月に漢喃研究院(ハノイ)を訪問し、ヴェトナム人研究者の協力等をも得つつ、漢文文献の全体像、研究史、研究方法、資料の入手方法等についての展望を得るべく努めた。韓国・ヴェトナムとも、今後とも調査を重ね、より重層的な認識を積み重ねる必要を実感すると同時に、国境を横断する研究者同士のネットワークが徐々に緊密なものとなり、今後の共同研究の道筋が確かなものとなりつつある現状を再確認することができた。
また、韓国の漢文文献に関しては、小峯和明編『漢文文化圏の説話世界』(竹林舎、平成22年4月)に論考「東国通鑑と本朝通鑑」を寄稿し、中国の司馬光編『資治通鑑』を起源とし、漢文文化圏全体に浸透した「通鑑」という歴史叙述の意義とその多様性について考察した。また、書き下ろしの教養書『変貌する清盛-『平家物語』を書きかえる一』(吉川弘文館、平成23年3月)を執筆・出版し、従来の政治文化体制の枠を破って日宋貿易を推進しようとした平清盛が、それ故にその後の日本国の言説空間において排斥されるようになる過程について分析し、従来の国文学の発想の枠を超えた、漢文文化圏周縁部の歴史叙述として『平家物語』を読み直す試みを開始した。
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Research Products
(4 results)
