2010 Fiscal Year Annual Research Report
漱石文学における老子の哲学と『文選』の神話についての研究
Project/Area Number |
22520369
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Research Institution | Seitoku University |
Principal Investigator |
李 哲権 聖徳大学, 人文学部, 准教授 (70306455)
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Keywords | 夏目瀬石 / 老子哲学 / 水の女 / 神話 / 隠の喩 / 非一告白文学 / 水の属性を生きる女 / 哲学的文学 |
Research Abstract |
申請者は昨年度、漱石文学研究を現在の中国における老子哲学研究の趨勢と結びついたものにするために、北京の社会科学院や道教関係の寺院等を訪ねて、資料収集や現地調査を行なった。また、研究成果を広く学会等に発信するために、中国の延辺大学で開催された「中国日本文学第12回全国大会」(2010年8月)に参加して口頭発表を行なった。さらに、研究成果を活字化して、いくつかの専門誌に掲載した。それは下記の通りである。 1.隠喩から流れ出るエクリチュール-老子の水の隠喩と漱石の書く行為(国際日本文化研究センター『日本研究』41)〔従来の「水の女」の研究を踏まえた上で、漱石文学と老子の哲学の関係を論じたもの〕 2.二つの遺書が織りなすテクスト(上)-井上靖『猟銃』と夏目漱石の『こころ』における包むもの(『井上靖研究』9号)〔両者のテクスト=遺書を、書簡体と告白という制度の視点で論じたもの〕 3.漱石文学における「鳥の女」(聖徳大学研究紀要21)〔「水の女」の他の存在様態として「鳥の女」を取り上げ、それを水と雲、雲と空、空と鳥(=空に空いた黒点)関係で論じたもの〕 4.「由隠喩産生的作品-老子的水哲学和漱石的写作行為」(隠喩から生まれるテクスト-老子の水の哲学と漱石の書く行為)『東亜詩学与文化互読』(中華書局)所収〔上掲1の研究成果を広く海外に知らしめる目的で、中国語に書き換えたもの〕 5.「夏目漱石新論--作為隠喩的植物」(夏目漱石新論一隠喩としての植物)『日本文学研究』(訳林出版社)所収〔漱石文学における植物の隠喩の次元を、主に『門』を中心に論じたもの〕
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