2011 Fiscal Year Annual Research Report
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22520374
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
久野 量一 法政大学, 経済学部, 教授 (70409340)
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Keywords | キューバ / プエルト・リコ / カリブ |
Research Abstract |
平成23年度は、研究実施計画の第二段階として、文献の収集を引き続き行ないながら、関連する地域に赴いて研究機関を訪問して研究を進めた。 文献の収集については、当初の計画を超えて予算が必要となることがわかり、雑誌のコレクション全体を入手することは難しいことがわかった。この点について、本年度は蔵書を所蔵する研究機関を訪れて複写を入手するようにつとめ、翌年度以降に実際に訪問できる研究機関があれば、複写の収集に専心する。 前年度の課題として、キューバと隣接するカリブ地域における文化的な動向との関わりを調査する必要が生じたため、本年度はドミニカ共和国と米国の自治領であるプエルト・リコを訪問する予定にしたが、気象状況により断念せざるをえず、プエルト・リコの研究機関のみ訪問が可能となった。 研究成果としては、昨年度口頭発表した内容を論文にまとめ、「キューバ、否定の詩学と肯定の詩学」『立命館言語文化研究』第23巻2号(2011年10月)、pp.113-120として公表した。また、カリブ圏の小説、パトリック・シャモワゾー『カリブ海偽典』の書評を「図書新聞」3056号(2012年3月31日)に掲載し、キューバ作家の短篇「ハリケーン」の翻訳を「群像」(2011年11月号)に掲載した。 本年度の研究内容として、隣接地域における文化的動向の調査を進め、プエルト・リコの事例を考察した。その成果は、立命館大学国際言語文化研究所主催の第2回環カリブ文化研究会(2012年3月9日、立命館大学)で「プエルト・リコのアヴァンギャルド」と題して口頭発表を行なった。 来年度はプエルト・リコの事例と比較しつつ、キューバおよび隣接地域の文化的動向について取り組み、その成果を論文、研究ノートとして公表するつもりである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度および二年目の本年度については、文献の収集や研究調査に多少の困難が生じつつも、少なくとも当初の研究目的に即して研究を進めることができ、また、成果の公表についても随時行なっている。そのため、当初の計画以上の進展は見られないが、やや遅れていると見なす大きな要因は見当たらないものと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画を大きく変更する予定はないが、必要なコーパスの収集に困難が生じており、これを問題点と見なすこともありうる。対応策として、当初の研究に資する目的に合致した文献であれば、代替となる資料を収集することも本年度の大きな実施計画として考えている。また、多くの研究機関を訪れ、複写により入手するようつとめることとする。 文献の分析を進めながら、研究成果の公表についても年度中に刊行可能な媒体に論文などを掲載するつもりである。
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Research Products
(1 results)