2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22520388
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
青木 三郎 筑波大学, 大学院・人文社会科学研究科, 教授 (50184031)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石田 プリシラアン 筑波大学, 大学院・人文社会科学研究科, 准教授 (10400607)
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Keywords | ステレオタプ / 慣用句 / 認知基盤 |
Research Abstract |
本研究は、次の4つのアプローチによりステレオタイプと言語活動の関係を解明することを目的とする研究である。(1)ステレオタイプに関する諸科学の基礎文献の批判的検討:(2)報道文の論理的ステレオタイプ:(3)文の種類(語り・記述・説明・論評文)のステレオタイプの研究:(4)「紋切型」としてのステレオタイプ研究: 本研究プロジェクトの試みは,上記の基礎研究を通じて、ステレオタイプ的言語表現の多義性・レトリック性・言語文化的基盤等の形式的特性を解明し,かつ体系的に記述することにより、最終的に日・英・仏語のステレオタイプ表現の相違と類似性に関する辞書を作成する。それにより言語学研究に新たな地平を切り開き、国際社会における異文化コミュニケーションに寄与することを目指す。 その立場から、今年度は主に青木を中心として(1)基礎文献の批判的検討を行い、石田プリシラを中心として(2)「紋切型」としてのステレオタイプ研究に着手した。基礎文献の批判的検討では、社会心理学的観点からクレイグ・マクガーティ他編著『ステレオタイプとは何か』、言語学的観点からシャルロット・シャピラ著『フランス語のステレオタイプ論』などの基本的文献を批判的に講読した。これにより哲学・社会科学・心理学に対して、言語学におけるステレオタイプの意味論の理論的位置づけを行う用意ができた。石田プリシラは、慣用句の意味と用法を十分に記述するために大規模コーパスを活用した慣用句辞典の記述の可能性を示した。「呆気に取られる」「腰を抜かす」「舌を巻く」などの、<驚き>を表す慣用句を対象に「現代日本語書き言葉均衡コーパス(BCCWJ)」の用例を分析し、文型、活用形の偏りと共起制限、意味特徴の3点を明らかにした。
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