2013 Fiscal Year Annual Research Report
複文構造の認知モデル研究:構文カテゴリの精緻化に向けて
Project/Area Number |
22520392
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大堀 壽夫 東京大学, 総合文化研究科, 教授 (20176994)
|
Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
|
Keywords | 複文 / 認知言語学 / 節の統合性 / 意味類型 / 構文理論 |
Research Abstract |
平成25年度本課題においては、複文の類型と意味構造について、認知・機能言語学のアプローチによる研究のさらなる進展・総合をはかった。主要な成果は以下の通りである。(I) 複文の類型:南不二男が日本語について提案した句の階層性を再検討し、通言語的により妥当性の高い枠組みを提案した。階層的モダリティ論と従属句の階層性は、文構造において異なる投射レベルであることを主張した。前提と焦点などの情報構造について、複文における現れを考察した。(II) 「言いさし」構文:日本語に特徴的に見られる、節の非終結形式によって発話が完結する現象に着目し、その成立条件、談話機能、および他の言語との対照を行った。(III) 理由文の分析:日本語の「言いさし」構文の中から、理由を表す「~から」を取り上げ、その談話内でのふるまいを分析した。最近の機能言語学で重視されている、談話のインタラクションの観点から、理由表現がもつ働きに注目して分析を行った。認知意味論で提案されてきた、実質的、認識的、発話行為的というレベルの他に、談話内での話し手のスタンスの妥当性に対する理由づけというレベルについて考察を深めた。 本研究の成果は、国内外の学術誌と研究論集、国際学会での口頭発表、シンポジウム等の形で公開、または公開予定である。また、派生的な成果として、認知言語学についてのワークショップ、および談話コーパスの作成・分析のためのワークショップを継続的に行い、研究成果のアウトリーチにつとめてきた。
|
Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(4 results)