2010 Fiscal Year Annual Research Report
共参照関係を利用した対話プロセス研究と対話型言語教材の開発
Project/Area Number |
22520395
|
Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
吉田 悦子 三重大学, 人文学部, 教授 (00240276)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹井 光子 広島修道大学, 法学部, 教授 (80412287)
|
Keywords | 語用論 / 指示表現 / 言い淀み / 対話 / 談話 |
Research Abstract |
初年度はエジンバラ大学人間コミュニケーション研究センターの地図課題対話データの検討、および対話コーパスに基づく研究成果の研究調査をおこなった。その後共参照関係に基づくアノテーションの記述方法について検討した。 まず、対話研究プロジェクトの成果研究について、複数のタグ付けシステムの利用可能性を中心に検討してきた。特に今年度はスコットランド(UK)と日本の研究者間で計画中の新しい共同研究を促進させるため,ワークショップでの共同発表後、セミナーおよび予備実験もおこない,研究交流を進めてきた。研究成果は2点ある。1つは,共通の基盤(グラウンディング)構築の視点から,対話のコミュニケーションにおける発話の流暢さと対話理解プロセスとの関係を明らかにするために有効な方法論を共有できたことであり,もう1つは,共通の基盤構築に貢献している日英語の周辺的現象を掘り下げ,言語的・文化的視点から基礎的な言語データを整理した点である。そして,日英語の言い淀みの部分的な分析から,発話における共通の基盤の構築と失流暢さの生起との間には相互的な影響関係が認められ,日英語の差異をふまえてこれを明確化する必要があることがわかった。日英語の差異について相互に比較可能なコーパス分析をおこなう基盤が得られたことは重要である。データ分析はまだ断片的であるが、今後も継続して対照言語的視点をふまえた定量的分析をおこなう必要がある。こうした分析から、今後は対話理解モデルの提案により、対話理解を目的とした言語研究に寄与できる点は意義深い。
|
Research Products
(4 results)
-
-
-
[Presentation] Disfluency patterns in dialogue processing2010
Author(s)
Etsuko Yoshida, Robin Lickley
Organizer
The 5^<th> Workshop Disfluency in Spontaneous Speech and the 2^<nd> International Symposium on Linguistic Patterns in Spontaneous Speech. (DiSS-LPSS Joint Workshop 2010)
Place of Presentation
東京大学(東京)
Year and Date
2010-09-26
-