2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22520398
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
越智 正男 大阪大学, 言語文化研究科(研究院), 准教授 (50324835)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 名詞句 / 日本語 / 中国語 / 類別詞 / 数量詞遊離 |
Research Abstract |
最終年度にあたる今年度は論文執筆を通しての研究の総括が研究の中心となった。以下、二点に絞ってその概要を述べる。 第一に、中国語と日本語における名詞句の周縁部の統語構造に関する最終的な提言をまとめた。これは初年度の研究成果をさらに発展させたものであるが、その骨子の一つは類別詞には二通りの統語的具現化の方法があるというものである。特に日本語の後置型の類別詞と中国語の類別詞が共に裸名詞句を補語として選択する機能範疇であるという本研究の主張点は、Chierchia (1998)による「決定詞(DP)言語vs.裸名詞句(bare NP)言語のパラメータ仮説」に対して重要な理論的示唆を含んでいるものと考えられる。本研究課題の成果が妥当であれば、上記のパラメータ仮説を文字通りの(強い)形で保持することは妥当でないということになるからである。ただし、本研究の結果は日本語や中国語等のいわゆる類別詞言語における項(argument)が場合によっては裸名詞句(bare NP)として具現化される理論的可能性を排除するものではない。従って当該パラメータの総合的な妥当性に関してはさらなる綿密な検証が必要であると考えられる。 第二に、上記の研究成果及び昨年度の研究結果を基に、類別詞遊離の現象についての新たな仮説をまとめた。これは類別詞の遊離は名詞句内に後置型として生起する類別詞が遊離しているという仮説である。この仮説を検証するするために、類別詞と全量化子が名詞句領域内に共起する構文(Universal Numeric Quantifier構文)に関連する遊離現象を研究の対象とし、先行研究における知見を基にデータ収集を行った。その結果、この構文には統語的な遊離が関与していると仮定しなければ説明できないデータがあることを発見した。これら一連の研究成果を論文にまとめた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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