2010 Fiscal Year Annual Research Report
言語の普遍性と言語間変異の理論的研究:日本語の「とりたて」現象から
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22520400
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| Research Institution | Kyushu University |
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Principal Investigator |
片岡 喜代子 九州大学, 人文科学研究院, 専門研究員 (80462810)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮地 朝子 名古屋大学, 文学研究科, 准教授 (10335086)
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| Keywords | 言語学 / 統語理論 / 構造構築 / 叙述 / 否定 |
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| Research Abstract |
主に日本語で「とりたて」と一般に言われている現象や否定関連現象の記述・分析に基づき、言語能力ゆえの普遍的原理原則と個別言語的特質を見極め、日本語の文構造そのものの特質を探り、構造構築の理論を提示するのがこの研究の目的である。言語の類型論的違いが、文構造や否定辞及び否定呼応表現の語彙的特質と相俟って、現象の違いを生み出すという分析を進めている。
初年度の22年度は、否定現象から探る言語の普遍的特質と個別言語の特質の研究を発展させ、叙述を基盤とする文構造の構築及び説明理論の構築のため、言わば基礎固めの期間である。研究代表者と研究分担者が築いてきた否定関連現象や「とりたて」現象の記述・分析の成果を見直す作業をまず行い、記述の成果を用いた共同論文の準備を進め2011年6月日本言語学会で発表予定である(採択済)。また非公開ではあるが同テーマで二度ワークショップを行った。1回目は12月に言語を科学的方法論を用いて分析している南カリフォルニア大学の傍士元氏による講義と九州大学の上山あゆみ氏による意味記述の講義を中心に分析基盤作りのための議論を行い、代表者と分担者のこれまでの記述研究の蓄積を理論分析するための準備議論を行った。2回目は3月に代表者が南カリフォルニア大学言語学科で傍士元氏の下で集中して理論仮説の検証のための議論とその応用の作業を行った。
記述分析の成果を理論的な観点から検証を行う準備作業を続け、データの検証システムを完成させて、仮説による理論構築と経験的データによる検証という過程を繰り返すことで、理論構築を積み上げていくことを目指している。
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