2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22520402
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
原田 なをみ 首都大学東京, 人文科学研究科(研究院), 准教授 (10374109)
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Project Period (FY) |
2010-10-20 – 2013-03-31
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Keywords | 言語学 / 生成文法理論 / 統語論 / 格理論 / 形態格 |
Research Abstract |
平成24年度までに採取したデータに基づき、抽象格を用いる英語と形態格を用いる日本語において、格付与の領域である動詞句の構造の検討が容易な二重目的語構文(例 太郎が花子に花束をあげた)の構造を詳細に分析した。その結果、以下の三点が明らかになった。 (1)情報構造・再帰代名詞の照応・数量詞の解釈の考察より、日本語でも英語同様、間接目的語「花子に」は直接目的語「花束を」より動詞に近い、統語構造上では下の位置に生成される。(2)日本語で一見英語と異なる動詞句の構造を持つように見えるのは、日本語に格助詞「ニ」が、名詞句の認可をするのに十分な統語素性を備えていないことに由来する。(3)日本語のニ格に相当する語彙項目は、格の調和"concordial Case"を伴う。この知見に基づき、複他動詞を含む動詞の普遍的な構造として、動詞と間接目的語が階層構造の一番内側・下の位置に生じ、直接目的語はその動詞句の外側・上部に導入される構造を提案した。日本語ではさらに形態格(格助詞)「ニ」が「格の調和」によって認可されるため、時制辞による格の認可を受けるために、統語構造の上部に義務的に移動するために英語との線形順序の違いが生じる。すなわち言語間の項の出現の順番の表面上の違いに、抽象格と形態格のどちらを用いるかという違いが関与していることを示した。 上記の結果を学術誌に投稿し、得られた査読結果を元に以下三点を修正し、再投稿を行った。(あ)これまでの研究経緯を英語、日本語といった個別言語に言及しない形に修正。(い)数量詞のデータ部分は紙面の制約上この論文からは削除(Miyagawa and Tsujioka (2004)への批判も含めて別の論文として執筆)。(う)日本語の与格と複他動詞構文に関する論文への言及を増補。 更に提案した動詞句の構造を元に、日本手話のアスペクト構造の分析も行い、学会にて発表した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)