2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22520406
|
Research Institution | Meikai University |
Principal Investigator |
西山 佑司 明海大学, 外国語学部, 教授 (90051747)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小屋 逸樹 慶應義塾大学, 法学部, 教授 (80234904)
熊本 千明 佐賀大学, 文化教育学部, 教授 (10153355)
|
Keywords | 所有文 / 存在文 / コピュラ文 / 指示的名詞句 / 変項名詞句 / 名詞句の意味機能 |
Research Abstract |
所有文は、日本語であれば、(1)(2)のように、「A(に)はBがある」という形式をもち、Aが所有者、Bが所有対象を表す構文である。これは、英語であれば、"A has B."として実現する。 (1) 太郎(に)は欠点がある。 (2) このコース(に)は必読書がある。 本研究では、研究代表者が10数年前から押し進めてきたコピュラ文や存在文に関する新しい理論と、その理論を背後で支えている名詞句に関する意味論的研究(とりわけ指示的名詞句と変項名詞句の区別、名詞の飽和性に関する新しい分析)を武器にして所有文という構文を再検討することにある。 研究代表者の西山は、所有文の分析に有効な名詞句の意味機能に関するこれまでの理論を整理した。研究分担者の熊本は、英語の指示的名詞句と変項名詞句の区別に焦点を合わせ、名詞句のattributive useと変項名詞句との区別に関する論文を発表した。研究分担者の小屋は、変項名詞句が本質的な機能を果たす日本語の「カキ料理構文」について固有名詞との関係で通説を批判的に検討した。これらの研究を通して、所有文を分析する際の基礎概念の整理ができたといえる。
|