2011 Fiscal Year Annual Research Report
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22520420
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
田口 善久 千葉大学, 文学部, 准教授 (10291303)
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Keywords | ミャオ・ヤオ / ヤオ族 / 文法再建 |
Research Abstract |
23年度は,先行研究及びすでに申請者がこれまでの記述してきた文法データを文法項目ごとの記述の枠組みへ整理する作業を継続して行った。この枠組みは,申請者が,言語類型論研究で着目されている項目を網羅して作成したもので,Haspelmath, et. al.(2005) The World Atlas of Language Structuresの項目について,類型論研究者に情報を提供することが可能であるように編集してあるものである。昨年度に引き続き、チャウコンメン語(CaoKongMeng)のデータを整理したほか、海外協力者の〓方貴氏と共同研究を行った。〓氏がミエン語のひとつであるビャウミン語(BiauMin)のネイティブの研究者である。〓氏に提供していただいたデータを整理する作業も行った。また、個別の文法項目について、〓氏と研究セッションをもつことができた。今年度は、場所表現、動作結果表現について考察を行った。ビャウミン語の場所表現においては、動詞+対象の位置表現の後に、所在動詞が現れて結果の状態を明示する形式がある。これはタイ語にもみられるが、ミャオ・ヤオ語の中では特異な構文であることがわかった。これが、接触の結果なのかどうかは今後さらに研究する必要がある。動作結果表現では、ミエン語では動作と結果を表す2つの動詞が結びつく傾向があるが、これはビャウミン語でも見られた。この表現では、ビャウミン語は漢語的な特徴を顕著であることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
従来全くわからなかったチャウコンメン語のデータを得られたこと、海外研究者の協力により、ビャウミン語のデータを得られたことで、十分な成果を上げつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
収集したデータを整理し、目標である言語類型論への貢献を行うことをめざす。データとしては、従来の研究におけるイウミエン語のデータの補充を行うことを考えており、これについてはさらに海外研究者に協力を要請することで解決することを計画している。
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