2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22520429
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
堀 博文 静岡大学, 人文社会科学部, 准教授 (10283326)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 言語学 / ハイダ語 / 北米先住民諸語 / 言語類型論 / 国際研究者交流 / カナダ |
Research Abstract |
本研究課題は,カナダのブリティッシュ・コロンビア州北西海岸地域で話されるハイダ語(北米先住民諸語のひとつで系統不明の孤立言語)の形態統語法に関する包括的な記述を行ない,それを言語類型論的見地から考察することを主な目的とするものである。今年度も前年度に引き続き,ハイダ語の形態統語法の理解を更に深め,その自然談話を得るために,話者数名の協力を得て現地調査を行なった。調査は,主に次の点を明らかにすることを主眼とした。 1) ハイダ語は,とりわけ動詞が複雑な構造をなす点で,複統合的な性格を有するが,その動詞複合体を構成する接辞の種類とそれらの承接順序,また,動詞接辞の音韻的あるいは形態的振る舞いの違いによる分類,動詞複合体に設定されるスロットの数と個々のスロットに所属する接辞の流動性の有無などを明らかにする。 2) テキストの蒐集と分析を通じて,ハイダ語の焦点標識の現われ,1人称代名詞と3人称代名詞の自立語形と付属語形の現われや関係節,複文構造における時制標識の現われに関する基礎的な理解を得る。 3) 現在のハイダ語の話者において主に音韻レベルにおいてみられる変異が何に起因するものかを明らかにするとともに,20世紀初頭に記録されたハイダ語と現代の話者の間における差異が生じた歴史的背景について考察を加える。 また,現地調査以外の成果として,現地で行なわれているハイダ語教育に資するよう,現地のハイダ語プログラムSkidegate Haida Immersion Programとアルバータ大学のハイダ語研究者と連携しつつ,学習者用のハイダ語辞書を編纂するための基礎作業を行なったこともあげられる。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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