2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22520456
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Research Institution | Fukushima University |
Principal Investigator |
半沢 康 福島大学, 人間発達文化学類, 准教授 (10254822)
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Keywords | 南相馬市小高区方言 / 川俣町山木屋方言 / 再調査法 |
Research Abstract |
方言調査において用いられる調査法(面接質問法,自記式質問紙法,インタビュー法)は,インフォーマントの方言実態をどの程度適切かつ安定的に測定できているのだろうか。本研究ではさまざまな方言調査法を用いた実験的な調査を複数実施し,実証的なデータを収集する。その分析を通して各調査法の信頼性を定量的に把握することを目的とする。 2010年度は「面接質問法の信頼性検討」のための調査・分析を中心に実施した。昨年度までに実施した南相馬市小高区における2回の同一項目調査データの分析を進め,音声項目,YN式項目の回答の一致度合いを比較した。音声項目(鼻音化現象,有声化現象)の場合,2回の回答の一致はおおよそ60%~80%程度であった。YN式項目の場合,「言う」(Yes)という回答の一致は75%~90%であった。これらの数値の評価についてはさらに検討が必要だが,質問法による方言調査データの信頼性は比較的高いといえそうである。 この小高区調査の結果と比較するために,2010年度は川俣町山木屋地区において,新たな多人数面接調査を実施した。2011年度に,同一のインフォーマントに対して同一の調査項目を用いた面接調査を実施し,2回の回答の一致を見る予定である。また小高区においてはあらたに「インタビュー法」の信頼性検討調査を計画し,機材購入,実施法の検討など準備作業を進めた。 本研究に協力をいただいている南相馬市小高区,川俣町山木屋地区がいずれも東京電力の原子力発電所事故により避難区域に指定されたため,2011年度の調査はその解除を待って実施することになる。両地域の皆様が平穏を取り戻し,故郷へ戻られるよう,一日も早い事故の収束を願っている。
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