2011 Fiscal Year Annual Research Report
国語史資料・学習史資料開発のための近世地方寺院伝存文献の調査研究
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22520471
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Research Institution | Naruto University of Education |
Principal Investigator |
原 卓志 鳴門教育大学, 大学院・学校教育研究科, 教授 (00173063)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梶井 一暁 鳴門教育大学, 大学院・学校教育研究科, 准教授 (60342094)
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Keywords | 国語学 / 教育学 / 学習史 / 学習記録 / 地方語史 / 庶民教育 / 地方寺院 |
Research Abstract |
本研究の基礎的な作業である地方寺院伝存文献の調査と所藏文献目録の作成については、平成22年度に刊行した『臨江山地藏寺所藏文献目録』について、「文献索引」「人名索引」「寺名・文庫名索引」を作成し、補訂作業を終えた目録本体と合わせて『臨江山地藏寺所蔵文献目録〔補訂版〕』(全621頁)を刊行(平成23年12月)するとともに、これをウェブ上(鳴門教育大学リポジトリ)に公開した。索引作成によって、本目録が格段に使用しやすくなった。また、平成23年10月には、徳島県美馬市の願勝寺の文献調査を終え、『寶壺山願勝寺所蔵文献目録』(全473頁)を刊行した(平成24年3月)。本目録についても、引き続き「文献索引」他の索引作成に取りかかった。さらに、平成24年度内の目録作成を目指して、国伝山地藏寺(小松島市)において所蔵文献の調査を継続中である。 基礎作業を踏まえた研究として、臨江山地藏寺所蔵の『顕密書籍目録』(延享元~宝暦二年書写)を取り上げ、『顕密書籍目録』に著録された文献と、地藏寺現存文献(『臨江山地藏寺所蔵文献目録〔補訂版〕』による)とを比較対照する作業を通して、『顕密書籍目録』作成の意図を考察した。その結果、『顕密書籍目録』は、その作成者である実道と覚幢の個人蔵書を著録したものであることが明らかになり、二人の僧侶の学習総体を俯瞰することのできる貴重な資料であることが分かった(原、平成24年3月、鳴門教育大学研究紀要第27巻)。また、寺院・僧侶における庶民教育をテーマとし、徳島県という特定地域と、真言宗寺院という特定宗派における活動実態を相対化して捉えることを目的とした発展的な研究として、伊予国の真宗寺院を中心に、寺院と僧侶による庶民教育への積極的な関与の実態を明らかにするとともに、寺院という宗教空間と庶民教育(人間形成)との関係解明という課題を提起した(梶井、平成23年9月、宗教研究85巻2輯(369号))。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
5年計画の2年を経過し、当初計画通り徳島県内の2ヵ寺の所蔵文献目録を作成し、3ヶ寺目の調査も順調に進んでいる。さらに、国語史資料・学習史資料開発に関する研究も、平成22・23年度を通して2件、発展的な研究として平成23年度に1件を論文として発表した。
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Strategy for Future Research Activity |
これまで通り、研究代表者・分担者が調査対象寺院に出張して所藏文献の悉皆調査を行う予定である。ただし、過去2年間の調査において、1ヶ寺の調査に予想以上の時間がかかっている。今後、香川県内の寺院を調査する場合に、3ヶ寺の調査を終了させるだけの時間が確保できるかが問題となる。調査協力者に対する調査要領の徹底、写真撮影による調書作成の簡略化などによって時間短縮を図るなどの対策を考えているが、場合によっては、香川県内の調査対象寺院を2ヶ寺に縮小し、徳島県内の調査対象寺院を1ヶ寺増やすなどの計画変更が必要になるかも知れない。
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Research Products
(3 results)