2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22520486
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
三好 暢博 旭川医科大学, 医学部, 准教授 (30344633)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮本 陽一 大阪大学, 言語文化研究科(研究院), 准教授 (50301271)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 反一致 / 継承 / フェイズ / edge素性 / 極小主義 / 生成文法 |
Research Abstract |
本研究の目的は、反一致現象の分析を提示し、その理論的意義を明らかにすることで言語理論の深化に寄与することにある。最終年度である24年度は、以下2点を明らかにした。 部分継承(素性継承が完全な形で行われない現象)とφ素性の欠落に含意関係は存在しない。トルコ語や関連方言の関係節に観察されるように、φ素性自体が存在せず、継承自体が行われない現象が存在する(Miyamoto 2013)。一方、ブレトン語のwh疑問化では、φ素性の存在を積極的に否定する根拠が薄弱である。さらに、スカンジナビア諸語・ゲルマン諸語に観察される虚辞(CP-expletive)に文頭制約が課されること及び英語のwager/allegeタイプの特殊なECM構文等、部分継承により統一的に分析できる諸現象が、φ素性自体の有無と部分継承の間には体系的な関係が存在せず、反一致現象をφ素性の有無に還元すること不可能である。② 部分継承が反一致現象の背後にあるメカニズムであるという仮説を検証する過程で発見した条件、すなわち、フェイズ主要部に単独で残留したEPP素性は主要部により認可されなくてはならないという条件から、ドイツ語等に観察されるWh-copyingの諸特性が導かれることを論じた(Miyoshi 2012)。 反一致現象は、部分継承ないしは継承自体が適用されない事例が存在すること示している。フェイズを単位とした計算は近年の極小主義における厳密循環派生の根幹をなす、フェイズを単位とした計算は、継承という操作の存在に依存する。逆説的ではあるが、部分継承ないしは継承自体が適用されない事例が存在することは、継承という操作を売らずケルことになるはずであり、本研究は、継承を取り込んだフェイズ内計算を仮定するアプローチを支持する。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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