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2010 Fiscal Year Annual Research Report

省略現象に関する統語論・意味論のインターフェース研究

Research Project

Project/Area Number 22520488
Research InstitutionTohoku University

Principal Investigator

島 越郎  東北大学, 大学院・文学研究科, 准教授 (50302063)

Keywords動詞句省略 / 空所化 / PF削除 / LFコピー / 空所スロット / 代用形 / 再分析
Research Abstract

省略文が生起する統語環境を明らかにすることを研究の目的とし、省略を認可する統語条件と意味条件の相互作用について考察した。具体的には、英語における次の二つの省略文が示す諸特徴を説明することを試みた。
(1)a.John loves Mary, and Tom does too. b.John loves Mary, and TomJane.
文(1a)は助動詞doesの後で動詞句love Maryが省略されている動詞句省略(VP-ellipsis)の例であり、(1b)は主語Tomと目的語Janeの間に時制を伴う動詞lovesが省略されている空所化(Gapping)の例である。申請者は、以前の分析において、動詞句省略を音声解釈部門(PF)における削除操作により、また、空所化を意味解釈部門(LF)におけるコピー操作により派生させる分析を提案した。コピー操作に基づく派生によると、統語部門では省略箇所に空所スロットが存在し、LFにおいて空所スロットに先行詞の構造がコピーされる。一方、削除操作に基づく派生によると、統語部門で構築された省略箇所の構造がPFで削除される。
本年度は、この様な分析を更に拡張し、次の仮説を新たに提案した。
(2)コピーされた要素が生起する空所スロットが、統語部門において発音されない代用形(pro-form)に再分析(reanalysis)される。
仮説(2)によると、動詞句削除の派生にはPF削除による派生と代用形による派生が存在し、また、空所化の派生にはLFコピーによる派生と代用形による派生が存在する。この新たな仮説の経験的妥当性を、(3)に示す動詞句省略と空所化の諸特徴に対して統一的説明を与えることにより検証している。
(3)a.複文を先行詞とする空所化の可否 b.場面設定の副詞句を残留要素とする空所化の存在 c.先行詞内に否定辞を含む空所化の解釈 d.随伴現象を含む先行詞内動詞句削除の存在 e.先行詞内に照応形を含む動詞句削除の解釈 f.動詞句省略を内部に含む動詞句省略の解釈

  • Research Products

    (1 results)

All 2010

All Journal Article (1 results)

  • [Journal Article] 省略文における再分析2010

    • Author(s)
      島越郎
    • Journal Title

      東北大学文学研究科研究年報

      Volume: 第60号 Pages: 61-90

URL: 

Published: 2012-07-19  

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